社団法人茶道裏千家淡交会第111回全国総会
理事・参事合同会議

5年に一度の理事・監事改選、
平成19年度事業報告・収支決算報告、
平成20年収支補正予算案を審議し、満場一致で承認可決



  淡交会第111回全国総会は、2月26日、京都市下京区にあるリーガロイヤルホテル京都において開催されました。
  年2回開催される定期総会は、日本全国より理事・参事・参事補・特別参事、支部長並びに幹事長が出席し、春の総会では、前年度の事業報告並びに決算報告等の議案が諮られます。
  加えて今回の総会は、公益法人制度改革を控え、組織の根幹に関わる改革等に対して、5年に1度の役員(理事・監事等)の選任案を審議する重要な会議となりました。





【理事・参事合同会議】
  総会に先立ち、午後1時から理事・参事合同会議を開催。
  関根秀治副理事長が定足数を確認し、開会を宣言。
  千 玄室理事長が議長に選出され、理事会議事録署名委員に関根秀治副理事長と那須延明理事を選出した後、千 宗室名誉会長より挨拶。家元は、地区大会での独自の取り組みや学校茶道への期待を取り上げ、出席者に一層の理解とともに感謝の言葉を述べられました。
  続いて議案審議が行われ、上程された議案は全て満場一致で承認可決され、第111回総会に引き継がれました。






【総    会】
  引き続き、午後2時45分より開催された総会には、千 宗室名誉会長、千 玄室理事長、千 容子副理事長、関根秀治副理事長並びに理事・監事、参事・参事補・特別参事、そして、総支部数165支部2支所の正副支部(所)長・幹事長が出席。
  千 容子副理事長が総会の定足数を確認し、開会を宣言されました。
  議長には、坂本眞一氏(参事・北海道地区地区長・札幌第一支部支部長)、副議長に中尾喬一氏(参事・鳥取支部支部長)、廣田 武氏(三重北支部支部長)を選出。
  また、議事録署名委員には、田中正之氏(堺支部支部長)、奥原信也氏(呉支部支部長)を選出。

  挨拶に立たれた家元は、初釜式に込めた一期一会の気持ちを話されながら、「様々な行事は、裏千家に集う全員のチームワークがあってこそ成り立っています。師と弟子はもちろん、茶の湯に関心を持つ方一人ひとりに気配りのできるチームでありたい」と、淡交会活動への理解と協力を求められました。

  大宗匠は、「今、日本の信頼するものがなくなったと言われるが、一碗のお茶があります。日本人はお茶の“心”を慈しみ、大事にしてきたはずです。それを皆様方の力でもっともっと広く展開していっていただきたい」と語りかけられました。

新しく選出された坂本議長、中尾・廣田両副議長 後藤前議長、下田・吉見両前副議長へ感謝状贈呈

◇感謝状贈呈
  第103回から第110回の淡交会全国総会において正副議長として淡交会の運営と発展に多大の尽力をされた議長の後藤豊彦氏(九州地区地区長・博多支部支部長)、副議長の下田穰一郎氏(福島支部支部長)と吉見弘晏氏(八幡浜支部支部長)に、家元から感謝状と記念品が贈呈されました。

◆表 彰
  和やかな雰囲気の中、各賞の表彰が行われました。

◇第6回茶道文化賞
  6回目となる茶道文化賞は、昨年11月5日に選考委員会を開催し、熱心かつ慎重な協議を経て授賞者を決定。選考委員である千 容子副理事長が選考経過とともに授賞理由を説明され、家元名誉会長、大宗匠理事長から受賞者に褒賞状・記念品と副賞が授与されました。

■茶道文化賞
倉澤行洋氏(宝塚造形芸術大学教授・73歳)
  綜合文化としての茶道を、哲学・芸術学・日本学の立場から研究、中世日本の芸術思想に新たな視座を確立。世界の精神文化史の中での茶道の位置づけ、存在意義の解明に貢献された。

■茶道文化振興賞
宮ア寒雉氏(茶道釜師・67歳)
  加賀藩主の御用釜師として寛文年間より続く寒雉釜の十四代。伝統技術を受け継ぐ釜づくりに徹し、茶道文化を支えてこられた。

立命館アジア太平洋大学(モンテ・カセム学長)
  アジア有数の国際大学として、英語による茶道講座を設置。多数の留学生に茶道を通じて日本文化への理解を深め、人材の育成に努められた。

◇特別功労功績賞
  また、元ハワイ州知事のジョージ有吉氏への特別功労功績賞授与につき、選考経過と発表がありました。

選考経過と受賞者を発表される家元夫人


大宗匠より茶道文化賞の贈呈 謝辞を述べられる倉澤氏

◇平成19年度『優秀支部』、『部門別優良支部』、『学校茶道永年勤続者』各賞発表
  春の全国総会では、全国の支部(地区)の中から、優秀支部と部門別優良支部を発表しその功績を顕彰しています。平成19年度は次の支部(所)への表彰が決定し発表と授与が行われました。

【優秀支部】  愛知第一支部(豊島半七支部長)
【部門別優良支部】
〇会員増加の部
  埼玉県西武支部(丸木清浩支部長)
  玉野支部(加藤浩久支部長)
〇地域社会への貢献の部
  東中国地区(松田 堯地区長)
〇学校茶道教育振興の部
  東京第五東支部(内海 倫名誉支部長、小坂 敬支部長)
  石見支部(島田康夫支部長)
〇青年部への指導援助の部
  尾道支部(長坂寿夫支部長)

優秀支部の愛知第一支部


【平成19年度学校茶道永年勤続者表彰】
  学校茶道に永年貢献してこられた77人に対して、表彰状と記念品が授与されました。受賞者を代表して横須賀支部の永井宗賀氏が謝辞を述べられました。







◆諸報告・議案審議
  平成19年度記録ビデオ上映の後、関根秀治副理事長より宗家報告、淡交会総本部報告。昨年に行われた宗家・総本部行事等の詳細とともに、公益法人制度改革に向けての取り組みが報告され、今後、淡交会が公益社団法人として歩むべき指針が示されました。
  引き続いて、議案審議が行われました。

第1号議案■理事並びに監事改選等に関する件(関根秀治副理事長)
  公益法人制度改革3法の立法趣旨に則り、理事会を機動的に開催するため、理事の人数を減らし、いわゆるスモール・キャビネットにする方向での理事・監事改選等の議案が諮られ、満場一致で承認可決されました。

  新役員は次のとおり。(敬称略・50音順)
名誉会長千 宗室家元
理事長千 玄室大宗匠
副理事長千 容子家元夫人
副理事長兼
専務理事
関根秀治裏千家事務総長
常任理事横山 薈(財)今日庵業躰長

木戸崇夫裏千家事務局長
理 事阿部正夫(財)今日庵副業躰長

井川高雄大王製紙(株)取締役最高顧問

大谷裕巳(株)ミリエーム代表取締役社長

大林剛郎(株)大林組取締役

北野次登(株)北野建設代表取締役名誉会長

櫻井幸子学習院女子大学講師

島津修久(株)島津興業代表取締役会長兼社長

塚本能交(株)ワコールホールディングス代表取締役社長

辻 兵吉(株)辻兵取締役会長

富田和夫東朋テクノロジー(株)取締役会長

那須延明(社)茶道裏千家淡交会総本部組織部部長

納屋嘉人(株)淡交社代表取締役社長

橋本宗利(株)広島ホームテレビ代表取締役社長

本庄八郎(株)伊藤園代表取締役社長

毛利元敬(財)防府毛利報公会会長
監 事廣田元孝廣田証券(株)代表取締役社長

庄司尚史(資)第弐商会代表社員
顧 問天江喜七郎外務省参与

荒巻禎一(財)京都文化財団理事長

内海 倫人事院顧問

恩村雄太北海道大学名誉教授

塩月弥栄子淡交会関東第一地区顧問

第2号議案■平成19年度事業報告に関する件(那須延明理事)
  平成19年度中に行われた淡交会の事業について事業の概況などを説明。当初策定された事業計画を適正・迅速に遂行し、わが国の文化の発展・国際交流に大きく貢献したことが説明されました。

第3号議案■平成19年度収支決算報告に関する件(木戸崇夫常任理事)

第4号議案■平成20年度収支補正予算案に関する件(木戸崇夫常任理事)


  総会に上程された4議案はすべて満場一致で承認可決されました。

  最後に、今総会をもって監事を退任される伊藤是介氏に、家元、大宗匠より、感謝状と記念品が贈呈され、これに応えて伊藤監事は、ご就任の際のエピソードなどを交えて万感こもった御礼の言葉を述べられました。





伊藤監事より御礼の言葉 九條氏より乾杯のご発声


  千 容子副理事長が閉会の言葉を述べられ、総会は無事終了しました。
  総会終了後、午後5時30分より懇親夕食会を開催。今日庵顧問で平安神宮宮司・九條道弘氏の乾杯のご発声により和やかに進行しました。