社団法人茶道裏千家淡交会第109回全国総会 |
理事・参事合同会議 |
平成18年度事業報告・収支決算報告などを審議、 淡交フェロー運営規約一部変更案を承認可決 |
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淡交会第109回全国総会は、早春の優しい陽光が京都市内を包み込んだ2月26日、京都市下京区にあるリーガロイヤルホテル京都において開催されました。 年2回開催される定期総会は、日本全国より理事・参事・参事補・特別参事、支部長並びに幹事長が出席、春の総会では、前年度の事業報告並びに決算報告等の議案が諮られます。 この109回総会は、平成19年度・20年度家元指導方針が教示されて以来初の総会となり、家元指導方針を実践していくためにも、昨年度の事業内容と決算を精緻に審議する貴重な会議となりました。 |
【理事・参事合同会議】 総会に先立ち、午後0時30分から理事・参事合同会議を開催。 関根秀治副理事長が理事・参事合同会議の定足数を確認し、開会を宣言。 千 玄室理事長が議長に選出され、理事会議事録署名委員には関根秀治副理事長と那須延明理事を選出した後、千 宗室名誉会長が挨拶。家元は、淡交会の大きな目的である点前手続きの統一や、未来の日本のため淡交会が果たすべき役割について話されました。 上程された議案は全て満場一致で承認可決され、第109回総会に引き継がれました。 |
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議長を務められた大宗匠理事長 | 廣田元孝監事より監査報告 |
【総 会】 引き続き、午後2時15分より開催された総会には、千 宗室名誉会長、千 玄室理事長、千 容子副理事長、関根秀治副理事長並びに理事・監事、参事・参事補・特別参事、そして、総支部数165支部2支所の正副支部(所)長・幹事長が出席。 千 容子副理事長が総会の定足数を確認し、開会を宣言されました。 議長には、後藤豊彦氏(九州地区地区長・博多支部支部長)、副議長に下田穰一郎氏(福島支部支部長)と吉見弘晏氏(八幡浜支部支部長)を再選、議事録署名委員に酒井忠久氏(庄内支部支部長)と村岡安廣氏(佐賀支部支部長)を選出。 挨拶に立たれた家元は、広がり続ける学校茶道に鑑み、「豊かな日本を未来へ手渡していくためにも、私どもが一丸となり身を粉にする覚悟を持って、茶の湯の心を伝えていかねばならない」と語りかけられました。 続いて、大宗匠が挨拶され、「日本全体が今こそ伝統文化に対して誇りを持たねばなりません。その意味でも若い人へ茶道精神を広めていくことは大切です」と、淡交会活動へ一層の協力を要請されました。 |
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家元挨拶 | 大宗匠挨拶 |
◆表 彰 和やかな雰囲気の中、各賞の表彰が行われました。 |
◇第5回茶道文化賞 5回目となる茶道文化賞は、昨年10月30日に選考委員会を開催し、熱心かつ慎重な協議を経て授賞者を決定。選考委員である千 容子副理事長が選考経過とともに授賞理由を説明され、家元名誉会長、大宗匠理事長から受賞者に褒賞状・記念品と副賞が授与されました。 |
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■茶道文化賞 |
村井康彦氏 (歴史学者、77歳) |
歴史学者として、社会経済史を基礎とした伝統文化論の研究を通じ、『千 利休』をはじめ茶道史にかかわる多くの著作を発表され、茶道研究に大きな業績を残された。 |
■茶道文化振興賞 |
木下孝一氏 (数寄建築棟梁、78歳) |
数寄建築棟梁として、伝統の木組み技術を生かし、新たな素材を活用するなど、工夫を重ねた優れた茶室を建築され、茶道文化の振興に寄与された。 |
山田伊織氏 (亀屋伊織17代当主、68歳) |
干菓子 亀屋伊織の17代当主として独自の伝統技術を継承しつつも、現代の茶席に相応しい干菓子を作り続けられ、茶道の普及に努められた。 |
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茶道文化賞授与 | 村井康彦氏の受賞記念スピーチ |
◇平成18年度『優秀支部』、『部門別優良支部』、『学校茶道永年勤続者』各賞発表 春の全国総会では、全国の支部(地区)の中から、優秀支部と部門別優良支部を発表しその功績を顕彰しています。平成18年度は次の支部(所)への表彰が決定し発表と授与が行われました。 |
【優秀支部】 飛騨支部(日下部洋子支部長) |
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【部門別優良支部】 |
〇会員増加の部 愛知第二支部(伊藤是介名誉支部長・川村悌弐支部長) 中越支部(田中直紀支部長) |
〇地域社会への貢献の部 宮津支部(小牧誠一郎支部長) |
〇学校茶道教育振興の部 三河支部(神野信郎支部長) 徳島支部(坂田雄幸支部長) |
〇青年部への指導援助の部 竹原支部(竹鶴寿夫支部長・代理:大田嘉弘副支部長) |
【平成18年度学校茶道永年勤続者表彰】 |
学校茶道に永年貢献してこられた72人に対して、表彰状と記念品が授与されました。 |
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◇感謝状贈呈 |
永年にわたり茶道教授者として淡交会発展のため格別の尽力をされ、今般、今日庵護持基金に多額の浄財を寄付された長野県支部の松橋宗幸氏(名誉師範)に感謝状が贈呈されました。 |
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◆諸報告・議案審議 平成18年度記録ビデオ上映の後、宗家報告、淡交会総本部報告を関根秀治副理事長より。昨年に行われた宗家・総本部行事等の詳細とともに、役員改選結果が報告され165支部2支所の内支部長23名・幹事長94名が新しく就任したことが報告。また、今後淡交会が公益社団法人として歩むべき指針が示されました。 引き続いて、議案審議が行われました。 |
第1号議案■平成18年度事業報告に関する件(那須延明理事) |
平成18年度中に行われた淡交会の事業について事業の概況などを上程。平成18年度においては、当初策定された事業計画を適正・迅速に遂行し、わが国の文化の発展・国際交流に大きく貢献したことが説明されました。 |
第2号議案■平成18年度収支決算報告に関する件(木戸崇夫常任理事) |
第3号議案■平成19年度収支補正予算案に関する件(木戸崇夫常任理事) |
第4号議案■淡交フェロー運営規約一部変更案に関する件(木戸崇夫常任理事) |
従来の淡交フェロー運営規約における寄付金の運用は、「重要文化財の宗家茶室・茶庭の維持・修復」とこれに類する事業に限られていましたが、新たに「裏千家茶道の次代を担う人材の育成」の追加が提議されました。 |
総会に上程された4議案はすべて満場一致で承認可決。 なお、新しい「淡交フェロー運営規約」は本年4月1日から施行されます。 最後に、千 容子副理事長が閉会の言葉を述べられ、総会は無事終了しました。 |
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総会後の懇親夕食会は和やかに |