社団法人 茶道裏千家淡交会青年部第15回全国大会
プレ行事開催報告
報告者 東京第六東支部 世田谷白雲青年部
鈴木ひかり
開催日時 平成21年10月6日(火)
会場 港区立「女性と仕事の未来館」
お茶の数 1碗
第六回「暮らしを彩る匠の女たち展」in女性と仕事の未来館(「讃の会」主催)は、毎年定例で今年6回目を迎える。
友禅、陶芸、組紐、織物、人形などの各分野で活躍する13人の女性伝統工芸士が行う展示会で、今年のテーマ「光と波と」をイメージしながら、それぞれに独創的作風で切磋琢磨する元気の出る展覧会です。

この会を永年引っ張ってきた太陽のような存在の作家がいます。
青年部行事の講師でお招きした、東京手描友禅の上田環江先生。昨年、夫で共同制作者であった上田稔先生を癌で亡くされました。哀しむ間もなく、一年をかけて、丁寧な準備を経て、稔先生の遺作展を開催されるまで、ずっと張り詰めているご様子でした。

素晴らしい遺作展を無事に終えられほっとされたのでしょう。今年のこの展覧会には、亡き稔先生をイメージした虹の山中湖に舞う「白雲龍」の屏風と、お孫さんの七五三にと描かれた「シンデレラ」の着物の二点のみの出展で、いつもの斬新で繊細なオリジナル着物は皆無でした。一緒に行った斎藤さんは環江先生の着物の大ファンです。私たち応援団は、いまさらながら先生のご心痛を察することになりました。

この世で一番哀しいのは人を失うことです。
とめどない失意の底にあって、自分をあたため、とかし、安堵させてくれるもの、元気づけてくれるものって?あ……そうだ!と思いついて、こっそり会場に持ち込んだ一碗の抹茶。首尾よく召し上がっていただきました。

「……なに?なんで?……このお抹茶、しょっぱいわよ(涙)」
しまった、泣かしてしまいました。
「以前はね、哀しいことによく泣いたの。でも今は、嬉しいときに泣き虫になってしまって……」
とべそかき顔のまま笑う先生。
「本当だ。嬉しいと、なんか泣けますね…(涙)」

女同士、抱き合って泣いたら、涙も晴れて、そろそろ虹が出る頃でしょう。
先生、新しい夢を探して、お互いにまたキラッキラに輝きましょうね!