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第17期リーダーシップ・トレーナー(L・T)出向員 第4回研修


  淡交会青年部「リーダーシップ・トレーナー(L・T)出向員研修」(第17期)の第4回研修を9月3日〜5日の3日間京都市上京区のザ・パレスサイドホテルを主会場に開催しました。L・T出向員制度は、全国の青年部会員の中から選抜されたメンバーが年間6回宗家・総本部に出向し青年部の次代を担うリーダーとなるべく、研修を受講するもので、今回の研修は、後半最初のプログラム。

― 9月3日(第1日目)―
  開会式では木戸崇夫淡交会常任理事が家元の“心を耕す”ということばを引用して「自らを高めるために、初心に返り積極的に研修に取り組んでいただきたい」と激励。早速研修に入りました。


木戸崇夫常任理事より挨拶


  講義Tでは「青年部の役員に求められるもの」と題してパスト全国委員 森田宗圓氏(奈良支部幹事長)による講義が行なわれました。講師は“ことば”の中にある‘相(すがた)’と‘姿’との違いを例に、心の奥深いところで物事を感じ取ることの大切さを説かれました。また、‘體中玄 句中玄 玄中玄’を引用され青年部世代のうちに学ぶことの大切さ、青年茶人としてあるべき相を示されました。


森田宗圓講師の講義


  続く講義Uは近畿大学教授 増田大三氏(大阪南支部副支部長)が「青年部の目指す方向」と題して担当。青年部綱領を念頭に、組織としての目的意識を明確に持つことが、青年部をよりよく運営し活動を充実させていくと、自身の青年部活動談を交えながら和やかに話を進められました。


増田大三講師の講義


  また、講義後には、第6回研修の中で担当が予定されている全国代表者会議呈茶席についてのミーティングを開き、席作りについて話し合いました。1年間の研修の集大成の場として、創意と工夫が期待されます。







― 9月4日(第2日目)―
  研修2日目、茶道をより深く探るため日本の三大茶どころの一つ宇治市を訪問しました。上林春松本店では上林春松氏より宇治地方だけで行なわれている独特の覆下栽培方について詳しく解説いただき、抹茶が出来る工程を説明いただきながら工場を見学しました。茶会や稽古で何度となく飲んできた抹茶ながら、初めて知ることが数多くあり、貴重な経験となりました。


上林春松氏による講義


抹茶工場の見学


  また、資料館では上林家に戦国時代より伝わる資料や昔ながらの製茶道具を見学し、更に茶についての理解が深まりました。


資料館の見学


  つづいて、小堀遠州の指導のもと慶長年間に生まれた朝日焼・松林豊斎窯を訪問。全国代表者会議呈茶席で使用するための茶碗製作に取り組みました。




  午後は風光明媚な宇治川周辺を散策後京都市内へ戻り、川瀬表完氏の工房で一閑張を体験。川瀬氏の指導のもと箕を製作しました。製作体験はもとより、伝統的な作品や現代的なアレンジを加えた独創的な川瀬氏の作品に触れ、日本の伝統工芸の奥深さにも触れました。


川瀬表完氏による指導 箕の製作体験





― 9月5日(第3日目)―
  前夜からの雨も上がり、早朝より千家の菩提寺大徳寺聚光院にて坐禅を体験しました。


聚光院本堂にて


  本研修会の締めくくりとして、講義Vを関根秀治淡交会専務理事が担当。国際情勢・政治・経済から家元の目指される茶の相、青年部の組織のありようなど幅広く解説。青年部の次代のリーダーとして勉強を怠らず、物事を見る目、物事の本質を見据える目を養うことの大切さを説かれました。


関根秀治専務理事の講義


  次回第5回研修は10月2・3日に予定されています。