南極観測隊員・黒田さんの南極レポート

南極で初のお稽古  第43次南極観測隊員の黒田健二さん




  昨年9月8日、鵬雲斎家元から茶名を授与された南極観測隊員の黒田健二(宗健)さんから総本部に近況を知らせる電子メールが届きました。昨年12月19日、南極東オングル島・昭和基地に入った黒田さんは、本来の調理部門の仕事に携わる一方、隊員を対象にお茶の稽古に励んでいます。
  黒田さんのメールを紹介します。

  茶名授与の際、お家元は「南極でも一碗をもって和を大切に」と激励されましたが、越冬隊の39人と元気に頑張る黒田さんは、和を大切に南極での活動に取り組んでいます。


(第43次南極観測隊員の活躍を報じる国立極地研究所
『南極観測のホームページ』へのリンク)
http://www.nipr.ac.jp/jare/



最新情報"What's New!!"のページで「2002年3月10日 第1回お茶会」をご覧下さい。稽古風景が紹介されています。



  昨年の12月19日に南極東オングル島、昭和基地に入り1月いっぱい夏作業を行っておりました。夏作業とは、長い越冬生活に入る前に別の夏居住棟に寝泊まりをして、前次隊で不具合になった建物の修理、補強とか、観測系の建物の機材の設置などほとんど休みが無く行っていました。
  2月1日に42次隊との越冬交代式が行われ昭和基地、管理棟での生活が始まりました。1日の昼食から厨房に入り隊員の皆に食事を作りやっと自分の本業が始まりました。
  南極に来て、もうすぐ3か月になります。やっと仕事の方も慣れてきた頃です。隊員の皆に『美味しかったよ』と言ってもらえるように頑張っています。生活環境にも少しずつ慣れてきて、先日の日曜日に16人の隊員が参加して初めての茶道の稽古を行いました。
  ほとんどの隊員が初めてで、正座をするのも久しぶりで足が痛いのを我慢しながら稽古に励んでいました。皆『お茶が美味しい』とか『純粋な気持ちになれた』と喜んでいました。
  これからも私の日曜日が休みの日(月に2回)に行いたいと思います。