外務省研修所研修員が茶道研修
〜海外赴任を前にして、日本人の心と伝統を学ぶために〜


  11月27日午後、外務省研修所の研修員一行(引率:川勝一成・副所長)112人が裏千家を訪れ、茶道研修を受けました。

  今回訪問された一行は国土交通省・農林水産省を始め来春、各国の大使館、領事館に外交官として赴任する各省庁入省の若手官僚です。「日本人の心と伝統の原点を学んでもらいたい」と外務省研修所が毎年春と秋に実施している関西研修旅行に裏千家訪問が組まれています。海外で高まる日本文化への関心にこたえるために外交官には歴史・文化も必須科目。各界の専門家が招かれて授業を行っており、千 宗室家元は40年にわたって外務省研修所講師を務めておられ、今回も11月11日に講義をされました。

  当日、一行は、3グループに分かれて裏千家今日庵茶室「抛筅斎」で業躰部講師による点前を見学の後、一人一人に呈される薄茶を味わいました。研修所には茶室が備わり、40人ほどの研修生が自主的に茶道サークルを発足させ、淡交会相模支部より教授者を招いて出張指導を受けていることもあり、茶室は緊張の中にも落ち着きが感じられ、多くの質問が寄せられました。
  日本の在外公館では茶室を備える所が20か所ほど、新築・改築を機に新たに設えたりして外交官や夫人達が現地で茶道を学び、自らお点前をしてもてなすケースが増えています。今年も在外日本国大使館からの要請で、フィリピン・カンボジア・ノルウエー・ルーマニア・ブルガリアへ茶道使節を派遣しています。


兜門をくぐり今日庵茶室拝観へ


茶室での振る舞いにも研修成果が現れ、茶碗を拝見する研修生


茶室の説明を熱心に聞く研修生
研修生の赴任国に合わせて用意された23言語の茶道紹介リーフレット