戻る
第73回裏千家茶道国際セミナー
  平成30年12月8日(土)、9日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園を会場と して、第73回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。

  同セミナーでは、英語での茶道紹介の仕方や指導方法を学ぶための実践的なカリキュラムが組まれています。昭和56年に第1回が開催されて以来、これまでに2000名以上が受講しており、今回のセミナーには、定員を大きく超える応募者の中から30名が参加しました。

  開講式の後、受講生は早速英語での自己紹介を行いました。茶道の魅力を海外の方々に伝えるための適切な英語の表現を学びたい、英語でお茶のいただき方を説明できるようになりたい、海外で茶道普及に取り組みたい等、受講生ひとりひとりが受講理由や抱負などを語りました。
開講式英語での自己紹介
  セミナー1日目は坐禅から始まりました。禅の講義が盛り込まれる形で進み、受講生は約1時間の坐禅に臨み、質疑応答では坐禅について疑問に思う事などを講師に活発に質問していました。続いて、今日庵茶室拝観および平成茶室見学が行われました。
座禅体験宗家拝観
  午後からは、裏千家茶道の海外普及活動に関する講義と、講師による模範デモンストレーションを経て、3つのグループに分かれてディスカッションが行われました。
海外普及活動についての講義講師陣によるデモンストレーション
  ディスカッションでは、作法・道具の説明の仕方など実質的な面のほか、茶道の精神や歴史的背景など、幅広い観点から意見交換を重ね、2日目の発表に向けての準備を行い、1日目は終了しました。
グループ別ディスカッション
  セミナー2日目はまず前日に引き続きグループディスカッションで最終打ち合わせを行い、受講生は茶道プレゼンテーション実習に臨みました。実習は午前の部では立礼、午後の部では四畳半形式で、実際に茶道紹介を行う形で実施されます。グループのメンバーで協力し合い、亭主、客、解説の役割に分かれて発表を行いました。受講生は発表の後、講師陣からアドバイス、注意点などのフィードバックを受け、また、他グループのプレゼンテーションを見学することでより理解を深めました。
プレゼンテーション実習(午前の部)
プレゼンテーション実習(午後の部)
  閉講式では修了証が授与され、代表者が謝辞を述べました。2日間のセミナーを終えた受講生からは、「英語での茶道紹介の要点を学ぶことができ、とても充実した2日間だった。今後の国際文化交流に役立てたい」、「外国の方へ茶道を伝えるという同じ目的を持つ方々と共に学ぶことで大変刺激を受け、海外への茶道普及の意欲が増した」など、前向きな感想が多数寄せられました。
  セミナーを修了した受講生の多くは「裏千家インターナショナルアソシエーション(UIA)」に入会し、裏千家茶道の海外普及に貢献しています。
  茶道を通じた国際交流において、受講生の今後の活躍が期待されます。