第72回裏千家茶道国際セミナー
平成30年5月19日(土)、20日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園を会場と して、第72回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。
本セミナーは英語による茶道紹介やデモンストレーション方法の習得、向上を目的に、過去37年間で2,000名以上の方々が受講をしています。今回は定員の倍を超える応募者の中から30名が参加しました。
開講式では長谷川義翁淡交会事務局長が主催者を代表して挨拶。昭和54年に始まるセミナーの歴史を踏まえ、受講生を激励しました。受講生の自己紹介では「英語による茶道プレゼンテーション能力を磨きたい」、「海外の方に茶道を伝えるボランティアがしたい」等、自身の目標やセミナーにかける熱い思いが語られました。
開講式
英語での自己紹介
セミナーの1日目は禅堂にて講話と坐禅体験から始まり、次いで裏千家茶道の海外普及についての講義が行われました。
座禅体験
海外普及活動についての講義
午後には宗家拝観及び呈茶が行われ、講師陣によるプレゼンテーション例と解説に続き、ディスカッションの時間が設けられました。
宗家拝観
講師陣によるデモンストレーション
ディスカッションでは3つのグループに分かれ、亭主・客・解説者それぞれの役割や説明方法を確認しつつ、翌日のプレゼンテーション実習に向けた準備が進められました。講師から投げかけられる問いや適切な表現方法、解説のタイミングといった実践的なアドバイスを受けつつ、グループ毎に活発に話し合う様子が見られました。
グループ別ディスカッション
2日目はセミナーのメインプログラムである、立礼と畳の場合の茶道プレゼンテーション実習が行われました。午前の部では立礼の実習の後、午後に向けて反省と更なる向上を目指した打ち合せの場が持たれました。午後の部は四畳半形式に移り、各グループが特定の聴衆や状況を想定し、発表を行いました。発表時には質疑応答や講評が行われ、特に「他グループの発表から新たな発見を得られた」、「外国の方の視点に立って考える大切さを学ぶことができた」など、様々な視点に立ってプレゼンテーションを構成することの難しさや魅力について多くの声が寄せられました。
プレゼンテーション実習(午前の部)
プレゼンテーション実習(午後の部)
閉講式では修了証が授与され、代表者が謝辞を述べました。2日間のセミナーを振り返り、受講生からは「英語による茶道紹介のみならず、茶道全般について学べた充実した2日間だった」、「目標の実現に一歩近づくことが出来た」など、セミナーで得た知識を国際交流や自身の更なる飛躍に活かしていこうとする感想が寄せられました。既に英語による茶道紹介経験を実践されている方も多く、2020年の東京オリンピックを見据えた今後の茶道活動に役立てていきたいとの声も見受けられました。
セミナーを修了した受講生の多くは「裏千家インターナショナルアソシエーション(UIA)」に入会し、裏千家茶道の海外普及に貢献しています。
茶道を通じた国際交流において、受講生の今後の活躍が期待されます。