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第65回裏千家茶道国際セミナー
  平成26年(2014年)6月14日(土)、15日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園を会場として、第65回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。

  同セミナーでは、英語での茶道紹介の仕方や指導方法を学ぶための実践的なカリキュラムが組まれています。昭和56年(1981年)に第1回が開催されて以来、これまでに約1900名が受講しており、今回も定員を大きく超える応募の中から選出された30名が受講しました。セミナー受講生の多くは、修了後「裏千家インターナショナルアソシエーション(Urasenke International Association)」に入会し、世界中で茶道の海外普及に貢献しています。
開講式英語での自己紹介
  開講式の後は早速英語での自己紹介があり、一人ひとり茶道に対する思いやセミナーへの意気込みを語りました。「これから海外留学をするので、茶道を英語で説明できるようになりたい」、「通訳ガイドとして英語・文化の知識を磨きたい」、「茶道精神をビジネスの場で広めたい」等、意欲的な姿勢が窺えました。

  セミナーは坐禅からスタート。受講生はやや緊張した面持ちで坐禅に取り組み、禅の講義を盛り込む形で進められました。「日常から気持ちを切り替え、『セミナーに来た』という世界に入れました」との声も聞かれました。その後は、裏千家茶道の海外普及活動に関しての講義が行われ、熱心に講義に耳を傾ける受講生の姿が印象的でした。
坐禅
裏千家茶道の海外普及活動についての講義熱心に講義を聴く受講生
  午後からは、今日庵茶室拝観と講師による模範デモンストレーションを経て、グループディスカッションが行われました。話し合いの中では、「日常生活と茶道の精神はつながっている」、「季節を感じること、おもてなしの心など、茶道の意義を伝えることが大切」等、茶道についての考え方のほか、「英語では細かなニュアンスを正しく伝えるのが難しい」、「シンプルに伝えることの重要さ、難しさ」等、英語での伝え方についても活発な意見交換が行われました。ディスカッション後の少しの空き時間にも、自発的にグループを作って話し合いを続ける受講生が多数見られ、意欲的に取り組みました。
グループディスカッション
  2日目はグループディスカッションからスタート。1日目の内容を受けて最終打ち合わせを行い、グループ別のプレゼンテーションに臨みました。
プレゼンテーション実習
  プレゼンテーション実習は、亭主・客・解説の役割に分かれ、立礼席と畳席それぞれで行われました。講義やディスカッション等、これまでのセミナー内容を受けて、各々が懸命に自身の役割を務めました。他のグループの発表を見学することも受講生にとってたいへん貴重な経験となり、メモを取りながら真剣に見学する姿が多く見られました。プレゼンテーション終了後には講師陣からアドバイスや注意点等のコメントを受け、内容に関してさらに理解を深めました。

  閉講式では、修了証が授与され、受講生代表が英語で謝辞を述べました。
修了証授与謝辞
  最初は緊張した様子も窺えましたが、閉講式では2日間のセミナーを終えた充実感が一人ひとりから感じられました。受講生からは「英語・茶の湯の楽しさや面白さが増しました」、「2日間でとても充実した深い内容を学べました」、「点前手続だけでなく、それ以外の見えない部分の重要性を伝えられるようになりたいと思っていたので、セミナーの目的と合致していて良かったです」等、感想が寄せられ、受講生は今後の活動に向けて心を新たにしました。