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第63回裏千家茶道国際セミナー
  9月15日(土)、16日(日)の2日間、厳しい暑さが残る中、茶道会館および裏千家学園を会場に第63回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。
開講式
   同セミナーは英語での茶道紹介や指導方法を習得することを目的とする実践に重点をおいたカリキュラムとなっており、昭和56年(1981年)に第1回を開催いたしました。これまで約1900名が受講しており、修了者の多くが受講後「裏千家インターナショナルアソシエーション(Urasenke International Association)」に入会し、茶道の海外普及に活躍しています。

   開講式の後は早速英語での自己紹介。受講生は最初緊張した面持ちでしたが、なかには持参の自作パネルを活用して自己紹介する参加者もみられ、徐々に意欲あふれる雰囲気となり、受講理由や抱負などそれぞれの思いを述べて、セミナーはスタートしました。
英語での自己紹介
   今回のセミナーには「同僚に外国人がおり、茶道について聞かれた際にきちんと回答出来なかったため、この機会に英語での茶道紹介の仕方を学びたい」「海外に滞在する中で日本や日本文化について聞かれる度に、一度しっかりと英語で茶道を学びたいと思っていた」「茶道という素晴らしい日本のおもてなしの文化を英語で学び、その理念を世界に発信出来るようになりたい」など様々な動機から、日本全国はもとより、ニューヨークやパリといった海外在住の方々の参加も含め、合計33名が受講しました。

   その後禅講義と坐禅、裏千家茶道の海外普及についての講義、利休御祖堂参拝並びに今日庵茶室拝観が行われました。
坐禅
裏千家茶道の海外普及についての講義熱心に講義を聴く受講生
   茶室の見学後は「『誰に』『どのようにして』茶道を伝えたらよいか」についての意見交換を重ね、2日目に行われる発表に向けての準備を行い、1日目は終了しました。
グループディスカッション
   セミナー2日目はグループディスカッションからスタート。1日目に話し合ったことを基に最終打ち合わせの後、グループ別のプレゼンテーション実習。午前は立礼の場合、午後は畳の場合、それぞれでデモンストレーションが行われました。この度のセミナーの成果発表ともいえる実習に、受講生は気合いを入れて真剣に取り組んでいました。
プレゼンテーション実習
   午後からの畳席での実習では、今回学んだことや、講習の合間などの時間を利用してグループのメンバーで出し合った意見を基に、実際に茶道紹介に挑戦。発表の際は、点前やナレーションなど、事前にグループで相談して決めた役割を各自が懸命に務めました。他グループのデモンストレーションを見学することは、受講生たちにとって普段得られない刺激を受けられる貴重な機会となったようです。

   閉講式では受講生に修了証が授与され、代表者が英語で謝辞を述べました。
修了証授与謝辞
   受講生はセミナー後「茶道を通じて『おもてなしとは何か』を改めて考えられる良い機会をいただきました」「充実した2日間を過ごすことが出来ました。しかし自分自身まだまだ勉強が足りないと実感し、これからも日々精進あるのみだと思っています」「たった2日でしたが、素晴らしい仲間に出会えました。また皆で集まれる機会を作りたいと思います」など様々な思いを胸に、今後の精進に向けてより一層の意欲を見せていました。受講生の年齢、職業、居住地等は様々でしたが2日間協力し合って親しくなり、今後も互いに切磋琢磨していきたいとの頼もしい感想も聞かれました。