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第61回裏千家茶道国際セミナー
  9月17日(土)、18日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園を会場に第61回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。
開講式
   同セミナーは英語での茶道紹介や指導方法を習得することを目的とする実践に重点をおいたカリキュラムとなっており、1981年に第1回を開催して以来、今年で30年目となります。これまで1800名以上が受講しており、修了生の多くが受講後「裏千家インターナショナルアソシエーション(Urasenke International Association)」に入会し、茶道の海外普及に活躍しています。
  開講式の後、早速英語での自己紹介。受講生は最初緊張した面持ちでしたが、受講理由や抱負などそれぞれの思いを意欲的に話しました。
英語による自己紹介
   今回のセミナーには「外国人の友人たちに、日本伝統文化の一つである茶道を紹介できるようになりたい」「茶道という素晴らしい日本のおもてなしの文化を英語で学び、その理念を世界に発信出来るようになりたい」「現在留学生を対象に英語で茶道を教えており、より解りやすく伝えられるよう勉強したい」「海外赴任に際し、現地の人と茶道を通じて交流したい」など様々な動機から、日本だけでなくスイス、UAE、中国在住の方々の参加も含め、合計29名が受講しました。
   その後禅講義と坐禅、利休御祖堂参拝並びに今日庵茶室拝観、裏千家茶道の海外普及についての講義が行われました。
坐禅
裏千家茶道の海外普及についての講義熱心に講義を聴く受講生
   グループディスカッションでは「『誰に』『どのようにして』茶道を伝えたらよいか」についての意見交換を重ね、2日目の発表に向けての準備を行い、1日目は終了しました。
グループディスカッション
   セミナー2日目はグループディスカッションからスタート。1日目に話し合ったことに続いて最終打ち合わせを行い、いざグループ別のデモンストレーション本番。この度のセミナーの集大成ともいえる実習に、皆気合を入れて臨みました。
デモンストレーション実習
   グループのメンバーで協力し合い、今回学んだことをもとに実際に茶道紹介を行いました。発表の際は皆、点前やナレーションなどグループで相談して決めた役割を懸命に務めました。また他グループのデモンストレーションを見学することは、受講生たちにとって普段得られない刺激を受ける貴重な機会だったようでした。
   閉講式では受講生に修了証が授与され、代表者が英語で謝辞を述べました。
修了証授与謝辞
   受講生はセミナー後「茶道について多面的に考える良い機会を頂きました」「英語に自信がなく、不安を感じつつ参加しましたが、先生と仲間のサポートのお陰で充実した時間を過ごせました。たくさんの経験と資料を頂いたので、復習あるのみです」「充実した2日間でした。しかし英語で茶道を伝えるには、もっと茶道そのものを学ばなければならないと実感しました。これからも勉強を続けようと思います」など様々な思いを胸に、今後の精進に向けてより一層の意欲を見せていました。
   受講生の年齢、職業、居住地等は様々でしたが2日間協力し合って親しくなり、今回得た仲間と今後も切磋琢磨していきたいと、頼もしい感想も聞かれました。