日中国交正常化45周年・中韓国交正常化25周年記念 「第12回東アジアの文化と平和を考えるシンポジウム」 |
9月21日(木)、22日(金)、中国北京市において、日中国交正常化45周年・中韓国交正常化25周年記念「第12回東アジアの文化と平和を考えるシンポジウム」の諸行事が執り行われました。 「東アジア茶文化シンポジウム」および「パネルディスカッション‐東アジアの文化と平和‐」は、千 玄室大宗匠の発意により、日中韓の文化と学術の交流を通じて相互理解を深め、東アジア地域の友好と平和に寄与することを目的に、2004年に中国・天津市において第1回を開催、その後は日中韓およびハワイを巡回し、その成果を積み重ねてきました。本年はこの2つの催事を合体、名称を日中国交正常化45周年・中韓国交正常化25周年記念「第12回東アジアの文化と平和を考えるシンポジウム」へと変更し、北京にて開催することとなりました。 来賓、日中韓はじめアジア各地の淡交会および海外協会会員、同好会会員、裏千家インターナショナルアソシエーションの会員、北京外国語大学の学生など延べ約450名が参加しました。 【中韓日平和祈念献茶式】 初日となる21日、北京外国語大学アラビアセンターにて、中韓日平和祈念献茶式が執り行われました。彭 龍 北京外国語大学学長による主催者挨拶に続いて、大宗匠が登壇。厳かな雰囲気のなか、謹点した一碗を3か国の国旗に捧げました。 |
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彭 龍学長 |
【開会式】 献茶式後、同会場にて開会。大宗匠による主催者としての歓迎挨拶、続いて共催団体の1つである中国日本友好協会を代表し王 秀雲 副会長から主催者挨拶が行われ、董 偉 中華人民共和国文化部副部長、横井 裕 駐中華人民共和国日本国特命全権大使、韓 在赫 在中華人民共和国韓国大使館文化院院長から来賓祝辞がありました。 |
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王 秀雲氏 | 董 偉氏 |
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横井 裕氏 | 韓 在赫氏 |
続いて、元国連事務次長の明石 康氏、中国・北京大学講席教授の范 曾氏、韓国・漢陽大学名誉教授の金 容雲氏による基調講演が行われ、参加者は興味深い内容に熱心に耳を傾けていました。 |
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【基調講演】 |
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明石 康氏 |
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范 曾氏 | 金 容雲氏 |
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【大宗匠主催懇親夕食会】 夕刻からシャングリラホテル北京にて盛大に行われました。大宗匠の挨拶、王 副会長の祝辞に続き、伊藤康一駐中華人民共和国日本国特命全権公使の発声で乾杯。各地から集った参加者は和やかに交流しました。 |
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王 秀雲氏祝辞 | 伊藤 康一氏の発声で乾杯 |
翌22日は午前9時からシンポジウムが開催されました。テーマは「文化交流による親交」。第一線で活躍する3か国の研究者による研究発表・指定討論が行われました。 |
シンポジウム | |
司会 建国 北京外国語大学日語系主任兼教授 | |
◇研究発表T | 「東アジアの文脈における茶礼の形成と変遷」 張 建立 中国社会科学院日本研究所文化研究室室長兼教授 指定討論:加藤千洋 同志社大学大学院グロ-バル・スタディーズ研究科教授 |
◇研究発表U | 「茶湯と無為の生き方」 林 瓚洙 韓国中央大学校教授 指定討論: 建国氏 |
◇研究発表V | 「文化交流の貯水池としての日本茶道」 岡本浩一 東洋英和女学院大学教授 指定討論:趙 龍憲 建國大学校碩座教授 |
◇総評 | 関根秀治 平安女学院大学伝統文化研究センター所長兼教授 |
【シンポジウム】 |
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研究発表T 張 建立氏(指定討論:加藤千洋氏) |
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研究発表U 林 瓚洙氏(指定討論・司会: 建国氏) |
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研究発表V 岡本浩一氏(指定討論:趙 龍憲氏) |
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総評:関根秀治氏 |
午後1時からは今回の新しい企画として、若手研究者5名による茶文化に関する研究発表が行われました。各発表後には質疑応答の時間が設けられ、客席の大宗匠が研究内容に関してコメントをされる場面もありました。 |
茶文化研究発表 | |
司会:郭 連友 北京外国語大学日本学研究センター主任 | |
◇研究発表@ | 「牧谿画に対する日中の評価の違い」 葉 晶晶 北京日本学研究センター博士課程在学中、文学修士 |
◇研究発表A | 「『大鑑清規』の喫茶と茶礼」 郄 汀潔 中国社会科学院研究生院博士課程在学中、法学修士 |
◇研究発表B | 「茶道にみる中国の諸思想〜不住斎竹心紹智を中心に」 岩田明子 学習院女子大学非常勤講師、宝塚大学非常勤講師、芸術学博士 |
◇研究発表C | 「イエズス会の茶の湯を用いた平和的外交」 スムットニー祐美 関東学院大学国際文化学部講師、文学博士 |
◇研究発表D | 「朝鮮時代の白磁と茶文化」 趙 容蘭 韓国中央大学校講師、文学博士 |
◇総評 | 岡本浩一氏 |
【茶文化研究発表】 |
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司会:郭 連友氏 |
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葉 晶晶氏 | 郄 汀潔氏 |
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岩田明子氏 | スムットニー祐美氏 |
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趙 容蘭氏 | 総評:岡本浩一氏 |
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【呈茶席】 |
シンポジウム当日、会場には淡交会北京同好会が担当する呈茶席が設けられ、参加者に心尽くしの一碗が呈されました。 |
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