第7回東アジア茶文化シンポジウムを開催 ―『茶経』をテーマに ― |
11月12日、東京都港区のホテルオークラ東京において、第7回東アジア茶文化シンポジウムが開催されました。 |
【主 催】 社団法人茶道裏千家淡交会 中国芸術研究院 【後 援】 外務省 中華人民共和国駐日本国大使館 駐日本国大韓民国大使館 |
このシンポジウムは、千 玄室大宗匠の発案により、茶文化の学術的研究の交流を通じて東アジア地域の友好関係の更なる充実を図ることを目的に始められた事業で、平成16年に中国・天津市において第1回が開催されました。2回目以降は、韓国・ソウル、東京、ハワイ・ホノルル、中国・北京の各都市で行われ、その成果は各方面から高く評価されています。 第7回となる今年は、本来であれば10月に北京において日中国交正常化40周年記念「裏千家茶道総合展」の併催事業として開催が計画されていましたが、日中間の諸事情により、このたび東京において開催する運びとなり、日・中・韓をはじめアジア各地の裏千家淡交会海外協会会員、裏千家インターナショナルアソシエーション会員、大宗匠が特別に招待された日本国際連合協会所属の学生など350名が参加しました。 10時からの開会式では、関根秀治裏千家事務総長・社団法人茶道裏千家淡交会副理事長が司会を務め、まず初めに大宗匠より歓迎の挨拶が述べられました。 |
続いて、来賓の衆議院議員で元内閣官房長官、元外務副大臣の塩崎恭久氏(淡交会松山支部支部長)、申珏秀 駐日本国大韓民国特命全権大使、程永華 中華人民共和国駐日本国特命全権大使(代読 何静 文化担当参事官)から祝辞があり、本事業の共催団体である中国芸術研究院を代表して牛根冨 副院長が挨拶されました。 |
塩崎恭久 衆議院議員 | 申珏秀 韓国大使 | 何静 中国大使館参事官 |
共催団体 中国芸術研究院 牛根富 副院長の挨拶 |
大宗匠の基調講演から始まったシンポジウムは、茶の聖典『茶経』をテーマに進行。第一線で活躍する研究者の発表に、参加者は熱心にメモを取りながら聴き入りました。 |
発表者とテーマは下記の通り。 |
第7回東アジア茶文化シンポジウム |
総合司会 関根秀治 裏千家事務総長 |
進行 朴銓烈 韓国・中央大学校教授 |
◇基調講演 「茶の湯の思い」千 玄室 大宗匠 |
◇研究発表T「陸羽と茶経 ―中国文人文化への影響― 」 |
沈冬梅 中国社会科学院歴史研究所研究員 |
指定討論:中村修也 文教大学教授 |
◇研究発表U「茶道から茶の湯へ」 |
張建立 中国社会科学院日本研究所准教授 |
指定討論:関根秀治 平安女学院大学客員教授 |
◇研究発表V「茶経の喫茶法について」 |
高橋忠彦 東京学芸大学教授 |
指定討論:李含 茶道総合資料館研究員 |
◇研究発表W「唐時代の茶法が高麗時代に与えた影響」 |
朴東春 韓国・東アジア茶文化研究所所長 |
指定討論:筒井紘一 京都造形芸術大学教授 |
◇研究発表X 「茶経に学ぶ和の茶文化」 |
戸田宗安 茶道裏千家今日庵業躰 |
指定討論:朴銓烈 韓国・中央大学校教授 |
◇総評 朴銓烈 韓国・中央大学校教授 |
大宗匠の基調講演 |
進行・指定討論・総評:朴銓烈氏 |
◇研究発表 | |
研究発表T 沈冬梅氏(指定討論:中村修也氏) |
研究発表U 張建立氏(指定討論:関根秀治氏) |
研究発表V 高橋忠彦氏(指定討論:李含氏) |
研究発表W 朴東春氏(指定討論:筒井紘一氏) |
研究発表X 戸田宗安氏(指定討論:朴銓烈氏) |
会場に展示された中国・陝西省の名刹、法門寺から出土した茶器のレプリカ |
【呈茶】 呈茶席は裏千家インターナショナルアソシエーションの会員が担当し、参加者をもてなしました。 |
【大宗匠主催晩餐会】 夕刻からは同ホテル「平安の間」で大宗匠主催の晩餐会が盛大に行われました。 大宗匠の主催者挨拶に続いて、木寺昌人 内閣官房副長官補と王秀雲 中国日本友好協会副会長が祝辞を述べられ、ケント・カルダー ライシャワー東アジア研究所所長の発声で乾杯。 国内外から集った参加者は和やかに歓談しました。 |
大宗匠挨拶 |
木寺昌人氏祝辞 | 王秀雲氏祝辞 |
カルダー氏の発声で乾杯 |
大宗匠を囲んで |