裏千家学園外国人研修コース「みどり会」
設立40周年記念同窓会 in Honolulu


  「一碗からピースフルネスを」− 茶道を通じて世界平和をとの理念の下、1970年に鵬雲斎大宗匠が世界各国から研修生を招聘する「みどり会」が設立されて、今年で40年。宗家での修道を終え祖国に戻った修了生はすでに400名程となり、それぞれの者がそれぞれの国で、茶道の指導者として、あるいは生活の様々な場面で、今も茶の心を伝えています。
  そんな「みどり会」修了生たちにとって、長年の念願は大宗匠を招いて同窓会を開催することでした。修了生によって組織されるUrasenke Midorikai Alumni Associationでは、設立40周年となる今年の記念行事開催に向けて1年前から準備を進め、裏千家ハワイセミナーに先立つ7月18、19日の両日に開催する運びとなりました。
  当日、ホノルルには歴代のみどり会講師を含め、世界各国から61名の同窓生が参集し、中にはみどり会設立以前の1960年代に在籍した最古参OBや、スペイン、ハンガリー、フィンランド、ニュージーランドなど遠方からのOBも多数参加しました。


7月18日(日曜日)− 同窓会総会

  開会に先立って親授式が行われ、大宗匠よりのアラン・パルマー(ボストン協会)に「教授」が授与されました。その後、大宗匠の挨拶で総会が始まり、大宗匠は参加者一人一人に声を掛けられていました。
  引き続き、実行委員会のラリー・ティスコニア(サンフランシスコ協会)を進行役に、同窓会の運営や今後の展開、新しいみどり会ウェブサイトなどの議題について報告がありました。
  その他、OBの活用方法、茶道普及の在り方、次世代の育成、地域社会への貢献、茶道の生涯教育への取り組みなどについて活発な意見交換が行われ、予定の終了時間を大幅に過ぎての閉会となりました。
アラン・パルマーへの教授引渡し 大宗匠より寄付金贈呈


7月19日(月曜日)− 記念茶会

  翌日、ハワイ出張所の茶室 汎洋庵にて記念茶会が行われました。
  床には大宗匠筆の「斑々緑草」が掛かり、OBが製作した道具を中心に40周年記念に相応しい国際色豊かな取り合わせとなりました。
  大宗匠来席の下、1席目が始まり、天江喜七郎淡交会顧問第38回裏千家ハワイセミナー団長はじめ、ハワイセミナー参加者81名、ハワイ協会役員・来賓・関係者など50名、計130名余りに一碗を振舞いました。
  ヴァンス木下・茶会委員長(ハワイ協会)を筆頭に、同窓生全員がみどり会での経験を存分に発揮して客をもてなし、文字通りの国際交流が繰り広げられました。
7月19日 記念茶会、大宗匠への呈茶
於:汎洋庵
茶会風景

みどり会OB製作の道具 同窓会参加者 61名


7月19日(月曜日)夜 − 記念晩餐会

  記念晩餐会が大宗匠の出席を得てハレクラニホテル ハウテラスで行われ、黒川・ハワイ協会会長はじめ、同窓生やその家族が出席しました。
  大宗匠を囲んでゆっくり歓談するカクテルタイムの後、カール・フックス同窓会実行委員(ハワイ協会)の司会で開会。大宗匠は挨拶に立ち、その中でみどり会設立から長年貢献のあった森明子・元財団法人今日庵国際局局長に賛辞を贈られました。続いてカルメン・ジョンソン(ダラス協会)が編集したみどり会40年の歩みをまとめた記念フォトアルバムを大宗匠に贈呈し、同窓生最古参OBのトム・ペンダガストによる乾杯で会食が始まりました。途中、元ハワイ知事・ジョージ・アリヨシ氏やハワイ大学総長、ハワイ州知事など、記念同窓会の開催を祝う100通を超える手紙の一部が読み上げられ、それらを収めたアルバムが大宗匠に手渡されました。
  最後の挨拶では、大宗匠の「みどり会の卒業生が私の宝物」との言葉に同窓生一同がスタンディング・オベーションで応える場面があり、今回の記念行事のクライマックスとなりました。
最古参OBトム・ペンタガストの発声
(於:ハレクラニホテル・ハウテラス)
大宗匠を囲んで乾杯

記念アルバム贈呈 最後は手をつないで


7月20日・21日(火・水曜日)ハワイ・セミナー

  記念行事終了の翌20日、ハワイ大学アートオーデトリアムでは、みどり会OB・ジャネット池田博士(ワシントン・アンド・リー大学教授)が講演を行いました。約1時間にわたってみどり会での経験とその後の自分の仕事に与えた影響などについて話し、大きな反響がありました。
  続いて大宗匠の解説で且座と続き薄茶のデモンストレーションが行われ、みどり会OBのハワイ協会所属のヴァンス木下、ウェイン室本、クラーク渡辺、ション・バーク、タロン天願が点前を行いました。
  21日にはOB達がセミナー参加者に交じって、ハワイ協会主催の茶会、ハワイ大学茶道部の茶会などに参加。海外では最も茶道が浸透しているハワイの現状を実感し、またハワイ協会のメンバー、学校茶道の学生・生徒、セミナー参加者との交流を通じて、茶道界の広がりと深まりを再認識する機会となりました。同夕行われた大宗匠主催晩餐会では、最初に大宗匠がみどり会OBを前に集め、紹介されました。
7月20日 セミナー講師 ジャネット池田博士
於:ハワイ大学アート・オ―デトリアム
7月21日 セミナー晩餐会でのみどり会OB紹介
於:シェラトン・ワイキキ・ホテル


  4日間の日程を終えた参加者たちは、50周年記念での再会を誓い、今回の行事で得た大きな実りを同門社中と分かち合うのを楽しみに、それぞれ帰路に就きました。