第5回東アジア茶文化シンポジウム
―清秋の韓国・ソウルにて開催―




  10月23日、韓国・ソウルの中央大學校において「第5回東アジア茶文化シンポジウム」が開催されました。

【主 催】  社団法人茶道裏千家淡交会
          大韓民国 中央大學校韓日文化研究院
【後 援】  在大韓民国日本国大使館公報文化院
          在大韓民国中華人民共和国大使館
          財団法人日韓文化交流基金
          大韓民国外交通商部
          大韓民国文化体育観光部

  東アジア茶文化シンポジウムは、千 玄室大宗匠の発案により、茶文化の学術的研究の交流を通じて東アジア地域の友好関係の更なる充実を図ることを目的に始められた事業で、平成16年に中国・天津市において第1回が開催されました。2回目以降は、韓国・ソウル、東京、ハワイ・ホノルルの各都市で行われ、その成果は各方面から高く評価されています。

  第5回となる本年は、10月23日、韓国・ソウルの中央大學校大学院国際会議室を会場に開催。駐韓国日本国特命全権大使 重家俊範閣下、在韓国日本国大使館広報文化院 高橋妙子院長をはじめ来賓方のほか、日・韓・中の裏千家同門、中央大學校の教員・学生など、200名以上が参加し、第一線で活躍中の研究者による密度の濃い研究発表に熱心に聞き入りました。各研究発表に続いて、それぞれ指定討論者からの質疑が行われ、充実した研究発表に対する理解を深める貴重な機会となりました。



  シンポジウムの開会に先立ち、大宗匠は中央大學校 朴範薫総長と会見。シンポジウム共催に対する感謝の意を伝えられました。また、大宗匠は中央大學校に寄附金を贈呈され、大学からは大宗匠の芳志に対する感謝状が贈られました。



  午前10時、同大學校大学院国際会議室においてシンポジウムが開会。
はじめに、中央大學校韓日文化研究院 任榮哲院長が開会の辞を述べられ、主催者を代表して朴総長と大宗匠が挨拶されました。続いて、来賓として重家大使と韓日文化交流会議 金容雲韓国側委員長が祝辞を述べられました。

任院長 開会の辞

朴総長挨拶大宗匠挨拶

重家大使祝辞金委員長祝辞

第5回東アジア茶文化シンポジウム

◇基調講演「茶からなる文化の相互理解」
  中央大學校教授 朴銓烈博士
◇研究発表1「茶道の美意識―珠光・紹鴎・利休の流れ―」
  今日庵業躰・創造学園大学教授 戸田宗安博士
    (指定討論:中国社会科学院日本研究院準教授 張建立博士)
◇研究発表2「茶文化と和歌思想」
  中央大學校教授 林瓚洙博士
    (指定討論:千 玄室大宗匠)
◇研究発表3「儒教と茶の湯の美意識」
  裏千家事務総長・平安女学院大学客員教授 関根秀治博士
    (指定討論:韓国聖潔大学教授 李美林博士)
◇研究発表4「中・日両国の茶陶器文化を語る」
  中国芸術研究院陶芸研究センター研究員・韓国文化院顧問
    高振宇氏
    (指定討論:韓国高麗大學校教授 崔溶K博士)
◇研究発表5「千利休の美意識」
  茶道資料館副館長・京都学園大学教授 筒井紘一博士
    (指定討論:韓国外国語大学校教授 金鍾コ博士)
◇講評千 玄室大宗匠

基調講演:朴銓烈博士

研究発表1:戸田宗安博士(指定討論:張建立博士)

研究発表2:林瓚洙博士(指定討論:千 玄室大宗匠)

研究発表3:関根秀治博士(指定討論:李美林博士)

研究発表4:高振宇氏(指定討論:崔溶K博士)

研究発表5:筒井紘一博士(指定討論:金鍾コ博士)

大宗匠による講評

  当日は、会場の国際会議室前に淡交会ソウル協会担当の呈茶席が設けられました。研修旅行として今回の行事に参加した裏千家インターナショナル・アソシエーション(UIA)会員もお手伝いに加わり、日韓両国の同門が交流を深める機会になりました。