韓国ソウルにて東アジア茶文化シンポジウムを開催
日中韓の研究者を迎えて第2回目の学術会議




  千 玄室大宗匠は10月24日より30日まで訪韓され、韓国ソウルにおいて日本、韓国、中国の研究者を迎えて「第二回東アジア茶文化シンポジウム」、「第2回パネルディスカッション―東アジアの文化と平和―」など一連の文化交流行事に出席されました。

  「第2回東アジア茶文化シンポジウム」は、昨年10月中国・天津市で開催された第1回のシンポジウムに参加した韓国側研究者からの強い要請により、今回は、裏千家とソウルの中央大学校との共催で開催されました。中央大学校は2001年より毎秋、大宗匠が客員教授として茶道の特別講義をしており、また今年から正課の茶道講座を韓国で初めて開設するなど、日本の茶道研究には深い関心を持つ韓国の名門私立大学。

  10月25日(火)、シンポジウムは、中央大学校・大学院国際会議場を会場として開催。日本・韓国・中国の著名な研究者が東アジアの茶文化について多角的な観点から論じる場となりました。

  シンポジウムに先立って、大学総長会議室にて、千 玄室大宗匠は参加研究者の方々とともに金熙秀・中央大学校理事長、朴範薫・同総長、許炯・同大学院長、金大植副校長等中央大学校の要職者、大島正太郎・駐大韓民国日本国特命全権大使、藤山美典・在大韓民国日本国大使館公使(公報文化院長)、金容雲・漢陽大学校名誉教授(韓日文化交流会議韓国側座長)らの来賓と会見、呈茶されました。




  午前9時半からのシンポジウム開会式では、金熙秀理事長が挨拶。続いて、朴範薫総長並びに許炯大学院長から千 玄室大宗匠に名誉文学博士学位が授与されるとともに、茶道講座「日本茶道文化論」開講に伴う協定書の調印が行われました。同講座は半期毎の選択科目ではありますが、日本の茶道が韓国で初めて大学の正式な単位科目として採用されたことになります。
 式後、来賓を代表して大島正太郎大使並びに金容雲氏が挨拶され、その後にシンポジウムが開始。


名誉文学博士学位授与式 茶道講座開講の協定書に調印


基調講演をされる大宗匠


大島正太郎駐韓日本国大使ご挨拶 韓国側講演者
李御寧・元韓国文化観光部長官

   
  シンポジウムは大宗匠の基調講演に続き、李御寧・元韓国文化観光部長官による特別講演が行われました。午後から各研究者による研究発表が行われ、中央大学校学部生、院生、日本からの随団参加者等約250名が熱心に聴講しました。

 「第2回東アジア茶文化シンポジウム」発表者とテーマは下記の通り。
・千 玄室大宗匠基調講演「朝鮮・中国・日本の茶」
・李御寧氏特別講演「方丈の伝統と茶室」
       
・朴銓烈氏(中央大学校韓日文化研究院長)「韓国における風流の茶」
・谷 晃氏(野村美術館学芸部長)「東アジアのやきものと日本の茶の湯」
・倉澤行洋氏(宝塚造形芸術大学大学院教授)「新しい時代の茶道」
・王 健宜氏(中国南開大学外国語学院院長)「中国茶文化に関する一考察」


韓国:朴銓烈氏 日本:谷 晃氏

日本:倉澤行洋氏 中国:王健宜氏

シンポジウムに参加された日韓中の研究者 中央大学校大学院


日本から参加の随団参加者と

裏千家ソウル出張所による呈茶席