第40回裏千家ハワイセミナー



  1972年、千 玄室大宗匠(当時、家元)よりハワイ大学へ茶室「寂庵」、茶庭「清苑」が寄贈され、淡交会青年部会員を中心とした130名によるツアーを第1回として「裏千家ハワイセミナー」が実施されました。本年は第40回目にあたり、7月18日(水)から25日(水)までの日程で開催され、淡交会顧問の天江喜七郎氏を団長として、淡交会会員ならびに学校茶道の招待学生・生徒10名を含む総勢109名が参加しました。
  本年はセミナーの40周年を記念し、ハワイ大学、イースト・ウエスト・センターの講師による講義、並びにハワイ大学茶道部、ハワイの淡交会各協会との交歓茶会などの恒例行事に加え、セミナーへの最多参加者の表彰や、第1回から第39回のセミナーを振り返る写真パネル展示などが行われ、参加者は各行事を通じてハワイの同門社中との交流を深めました。


結団式
  18日午後、成田空港、関西空港、中部空港からそれぞれ出発しホノルルに到着したセミナー参加者が一堂に会して、ワイキキにあるアウトリガーリーフホテルのレストラン「オーシャンテラス」にて結団式が行われました。
  19日午前9時より、ハワイ日本文化センターにおいて、ハワイ協会との交歓茶会、ならびに昼食会が行われました。

「星光庵」での本席


立礼席


  20日、セミナー第1日目はハワイ大学アートオーディトリアムにて、大宗匠の開講の辞で始まりました。第1講は、ハワイ大学マノア校学長のトム・アップル博士が「学生の変革」について話されました。アップル博士は今年の夏に学長に就任。新学長として、大学の重要な役割とは学生が学術に対する情熱を発見する場になることとの考えで、3つの最優先事項(1.学生の変革を促す体験を提供すること、2.研究にさらに力を注ぐこと、3.ハワイの伝統文化に基づく価値観を大切にすること)について説かれました。
  第2講は、ジョージ・アリヨシ元ハワイ州知事が、50年に亘り東西を結ぶ大変重要な役割を担ってきたイースト・ウエスト・センターの成り立ちとその意義について話されました。


トム・アップル学長ジョージ・アリヨシ元州知事


  講義終了後、セミナー参加者はハワイ大学キャンパスセンターのカフェテリアで、ハワイ大学の学生達に混じって昼食をとりました。午後にはハワイ大学茶道部、ハワイ大学茶道部OB、ハワイの各協会との交歓茶会が行われ、ハワイならではの趣向に富んだ茶席で一碗を介して交流を深めました。

「寂庵」でのハワイ大学茶道部席


ハワイ大学茶道部OB席


ヒロ協会、カウアイ協会、マウイ協会合同席


  同日夕刻からは、シェラトン・ワイキキホテルにおいて大宗匠主催の晩餐会が開催されました。会場内にはこの度のセミナー40回の節目を記念して、第1回からこれまでを振り返る写真パネルが展示されました。出席者は懐かしい写真を見つけては、思い出話に花を咲かせていました。



大宗匠主催晩餐会


  21日、セミナー第2日目は講義と茶道実技研修が行われました。ハワイ協会会員が平花月、そしてハワイ大学茶道部部員が濃茶点前の実技を行い、大宗匠自ら詳細な解説をされました。


ハワイ協会による茶道実技


ハワイ大学茶道部による茶道実技

熱心に聴き入る参加者

第3講は、フラダンスの師(クム・フラ)の1人でハワイ大学のノエノエ・ズーターマイスター講師が、フラダンスで使用する楽器の紹介や演奏にフラダンスのパフォーマンスを交えながら、物・言動に宿るマナ(超自然な力、魂)について講義をされました。



  今回のセミナーの修了にあたり、40回目を記念してセミナー最多参加者9名を表彰しました。その後、裏千家、ハワイ大学、イースト・ウエスト・センターよりそれぞれ参加者に修了証が授与されました。

セミナー最多参加者の表彰式


修了証授与


  22日と23日の各日の午前中には、ハワイ出張所にある「汎洋庵」にハワイ協会会員、ハワイ大学茶道部による茶席が設けられ、セミナー参加者はくつろいだ雰囲気で一碗を楽しみました。






  ハワイでの最終日の23日には、夕刻からザ・ブレーカーズホテルのプールサイドでサヨナラガーデンパーティーが行われました。大宗匠とともに、ハワイアン音楽やフラダンスの即席教室、福引き、招待学生・生徒によるパフォーマンスなどで盛り上がり、団員は最後の夜を心ゆくまで楽しんでいました。