第36回裏千家ハワイセミナー


  裏千家の夏の恒例海外行事として続けられています裏千家ハワイセミナーが本年も7月18日〜27日まで開催されました。
  千 玄室大宗匠出席のもと、日本全国より学校茶道の招待学生15名を含めた71名が参加し、淡交会ハワイ協会の会員、ハワイ大学茶道部の学生らと交流を深めました。




  18日午前中に関空、成田から二手に分かれてホノルルに到着した団員は昼食をとりながらの結団式で一堂に会し、翌日からのセミナープログラムに向けて意欲を新たにしました。

  19日、淡交会ハワイ協会との交歓茶会が催されました。日本文化センター内の茶室「星光庵」に薄茶席、またプリンスホテルに立礼席が設けられ、心づくしのもてなしを受けました。その後、同ホテルで催された交歓昼食会ではホノルル・ボーイ・コーラスの少年達が美しい歌声を披露、出席者を大いに楽しませました。


「星光庵」での茶会ハワイ協会との交歓昼食会にて


天江喜七郎氏


  20日、21日、ハワイ大学に於ける2日間のセミナーはアーキテクチャー・オーディトリアム及びイースト・ウエスト・センターを会場として講師に大宗匠、イーストウエストセンターのシャビール・チーマ教授に加え、米国ライシャワーセンター所長ケント・カルダー博士、天江喜七郎氏(外務省参与・茶道裏千家淡交会顧問)を特別講師に催されました。
  第一講目、天江氏は『「住めば都」−私の外交遍歴』をテーマに公使、大使として自身が歴任された国々での体験をもとに日本や日本文化の良さについて述べられました。
  第二講目はハワイ協会青年部による「且座之式」と「一二三之式」の実技研修が行なわれました。大宗匠自らが詳しく解説をされ、団員からの質問にも応じられました。

七事式 茶道実技研修


  翌日の第三講目、ライシャワー東アジア研究所所長ケント・カルダー博士はアジア、中東、米国など世界の難しい情勢の中での文化交流の必要性、特に大宗匠のこれまでの業績を例に上げられ、茶道外交の必要性を説かれました。
  また、10月に予定されている大宗匠のアブダビ訪問には中東での茶道外交への期待を表されました。
  第四講目、イースト・ウエスト・センターのシャビール・チーマ博士は政治学者の立場からアジア地域の例を挙げ、それぞれの国に合った民主政治と資本主義のあり方について述べられました。


ケント・カルダー博士シャビール・チーマ博士


  二日間の聴講を終えた団員には、裏千家より大宗匠、ハワイ大学よりピーター・田中博士、イースト・ウエスト・センターよりシャビール・チーマ博士からそれぞれ修了証書が授与されました。




  午後にはハワイ大学「寂庵」に於いて同大学茶道部、立礼席ではハワイ協会青年部が茶席を設け、和やかな交歓茶会が行なわれました。




  夕刻には、恒例の大宗匠主催晩餐会がヒルトン・ハワイアンヴィレッジで催されハワイ各協会社中、知名士そして団員を含め320名が集まりました。来賓を代表して、國方俊男在ホノルル日本国総領事が挨拶され、裏千家が日米文化交流に大きく貢献している事を高く評価されました。
  同じく来賓として挨拶に臨んだハワイ大学のデイビッド・マクレイン総長は、裏千家より同大学に茶室が寄贈されただけでなく「千 宗室チェアー」基金や「千 宗室国際茶道センター」の開設などによって州内の高等教育、特に文化的側面で新たな教育機会が設けられることとなったとして、大きな謝意を示されました。
  また、この晩餐会の席上、ハワイにおける茶道普及に特に貢献されたジョージ有吉元ハワイ州知事に大宗匠より淡交会特別功労功績賞が授与されました。会食の間にはハワイならではの音楽とフラのショーで楽しい雰囲気の夕べとなりました。



淡交会特別功労功績賞を受けられる
ジョージ有吉元ハワイ州知事


國方俊男総領事デイビッド・マクレイン総長




  ホノルル滞在最終夜となる25日、団員宿泊ホテルのプールサイドで「さよならガーデンパーティー」が催されました。学校茶道招待の高校生・大学生15名が、大宗匠に感謝を込めて歌と踊りを披露。ハワイアンのアトラクションに団員のフラダンスの飛び入りや福引など、ハワイ最後の夜は楽しく賑やかに幕を閉じました。


裏千家ハワイ出張所内 「汎洋庵」での呈茶


さよならガーデンパーティー