第39回学校茶道指導者研修会

研究主題「日本を身近に ―今、茶道を通じて伝えられるもの―」


  7月28日(月)〜30日(水)の3日間、宗家・京都東急ホテルを主会場に、淡交会各支部学校茶道連絡協議会会員と、今後学校での指導を希望する淡交会各支部会員の計168名が学校茶道指導者研修会を受講しました。





【7月28日】
  開講式

  千 宗室家元は挨拶で、「学校茶道指導者には、子どもたち一人ひとりの顔を見ながら耳に残る言葉が必要。子どもたちに思いやりの言葉を掛けたり、学校茶道指導者の行動を子どもたちが見て、例えその時は理解していなくても、いつの日にか気付き、人に対する思いやりが生まれてくる」と語られました。




  引き続き、関根秀治裏千家事務総長・淡交会副理事長から、裏千家の学校茶道への取り組みの経緯や学校卒業後の茶道継続等を中心として総本部報告が行われました。



基調講演 梶田叡一 兵庫教育大学学長・第4期中央教育審議会副会長
  「学校茶道の課題」と題して、今般の学習指導要領に日本の伝統文化継承が盛り込まれたこと等、今後の学校教育の方向性に貴重な示唆をいただきました。





意見交換会T・U
  28日と30日の両日、学校種毎に8グループに分かれ、アドバイザーの方々を座長に、受講者から活動内容や指導の工夫点などについて熱心に意見が交わされました。

  《座長》
大学・短期大学船生宗敏氏東日本国際大学教授
高等学校A 中原宗正氏徳島県立新野高等学校教諭
高等学校B吉田宗石氏神奈川県立舞岡高等学校校長
中学校・高等学校正科淺沼宗博氏三重中京大学入試センター参与
皇學館大学文学部非常勤講師
中学校小関洋治氏前和歌山県教育委員会教育長
和歌山大学客員教授
小学校A永野宗隆氏高知市立旭東小学校校長
小学校B波佐間宗清氏下関市教育委員会教育次長
幼稚園・保育園山本宗義氏須磨浦学園長・同小学校校長・同幼稚園園長
                  

大学・短期大学 高等学校A


高等学校B 中学校・高等学校 正科


中学校 小学校A


小学校B 幼稚園・保育園





【7月29日】
 講義 淺沼宗博 三重中京大学入試センター参与・皇學館大学文学部非常勤講師
  永年学校茶道に携わってきた経験を基に、「子どもたちから教わるもの」と題して、茶道指導者の心構えや学校が茶道指導者に求めていることなどについての講義がありました。

  引き続き、事例発表が行われ、それぞれの発表者から学生・生徒への茶道啓発等についての発表があり、受講者にとって今後の指導の良き参考事例となりました。


  事例発表T 中村宗幸 千葉県立一宮商業高等学校茶道指導者
           「喜ぶ顔に会いたくて」〜仲良く 明るく 元気よく 皆の応援茶道部〜

  事例発表U 糸川宗伸 大阪桐蔭中学校・高等学校茶道指導者
           「学校茶道からのバトン」〜創意と工夫で、茶会を楽しく、数多く・・・〜

  事例発表V 影山宗澄 東京都千代田区立お茶の水幼稚園茶道指導者
           「感性豊かな幼児の育成を目指して」〜茶道の取り組みと可能性〜

 利休御祖堂、大徳寺聚光院利休居士墓参・拝観、三門拝観
  午後からの利休御祖堂参拝では、初めて兜門を潜る受講者も多く、また大徳寺聚光院での利休居士墓参・拝観、金毛閣を拝観し、茶道への思いを新にする機会となりました。






【7月30日】 
  朝礼終了後、初日と同様8会場に分かれ意見交換会Uが行われました。
  その後、裏千家からのインフォメーションが行われました。

全体会議
  永野宗隆高知市立旭東小学校校長の進行によって、意見交換会T・Uで交換された意見を次の方から発表が行われました。


発表者
幼稚園・保育園再田宗美氏
小学校A石井宗勤氏
小学校B杉浦宗友氏
中学校 戸井田宗節氏
中学校・高等学校正科坂井宗和氏
高等学校A鈴木宗英氏
高等学校B本間宗喜氏
大学・短期大学・専門学校山中宗茅氏





 閉講式
  木戸崇夫裏千家事務局長・淡交会常任理事から、受講者代表の梶原宗悦山梨支部副幹事長・同支部学校茶道連絡協議会委員長・関東第二地区学校茶道連絡協議会委員長に修了証書が授与され、引き続き石橋宗絹参事補・千葉県支部副幹事長が謝辞を述べました。

  3日間の研修を通じて、受講者にとっては学校茶道への理解や意識を高める貴重な機会となったことでしょう。

修了証書 授与謝辞