第49回学校茶道指導者研修会・第39回学校茶道担当者講習会
合同研修会




  平成30年7月19日(木)から21日(土)までの3日間、宗家・京都東急ホテルを会場に開催し、淡交会各学校茶道連絡協議会の会員112名、全国の裏千家茶道採用校の教職員11名の計123名が受講しました。
  この研修は、学校教育における茶道の果たす役割やその可能性について考える機会として、「学校茶道指導者研修会」と「学校茶道担当者講習会」を合同で開催するものです。


7月19日(木)
<開講式>
  午後1時30分からの開講式では、挨拶に立たれた千 宗室家元より、昨今の自然災害についてのお見舞いと被災エリアからの参加者を労われ、「学校で指導されている皆様には、茶の湯を通じ、子供達へ、思いやりの心と、自然への畏怖の心を育てていってほしい」と語られました。




<総本部報告>
  長谷川義翁淡交会総本部事務局長より、学校茶道の歴史や成り立ちなど織り交ぜ総本部報告がなされました。




<基調講演>谷 晃氏(野村美術館館長)
  「日本に出会う、茶の湯に出会う」と題し講演。
  谷氏は、京都大学在学中、裏千家学生茶道研究会の草創期のメンバーであり、学生時代から深く茶道に携わってこられました。
  日本文化の特質、茶の湯の定義や、構成要素、効果等について説明され、「皆さんが今まで茶道を続けてきた理由や魅力を、ご自身の体験をもとに子供達に語ることが学校で指導するなかで大切です」と説かれました。




<分科会T>
  受講者は学校種ごとに8グループに分かれ、座長を務めるアドバイザーの進行のもと自己紹介をはじめ、互いの指導校の状況等を語り合いました。


座長
大学・短期大学・各種専門学校 船生宗敏氏(東日本国際大学非常勤講師、淡交会いわき支部副幹事長)
高等学校A 淺沼宗博氏(皇學館大学現代日本社会学部特別招聘教授、淡交会三重南支部参与)
高等学校B 吉田宗石氏(静岡英和女学院中学校・高等学校校長、淡交会東京第六西支部副支部長)
高等学校C 永野宗骼=i高知大学大学院教職実践高度化専攻教授・附属学校教育センター長)
中学校 小関洋治氏(元和歌山県教育委員会教育長、淡交会和歌山支部副支部長)
小学校A 波佐間宗清氏(元下関市教育委員会教育長、淡交会参事・下関支部副支部長)
小学校B 梶川宗尚氏(淡交会川崎支部常任幹事)
幼稚園・保育園(所)  辻 宗治氏(淡交会参事補・岐阜支部副幹事長)


大学・短期大学・各種専門学校 高等学校A 高等学校B


高等学校C 中学校 小学校A


小学校B 幼稚園・保育園(所)


<夕食懇親会>
  午後6時から夕食懇親会を開催。野口耕一今日庵事務局長の挨拶に続いて、アドバイザーの小関洋治氏の発声で乾杯。学校種ごとにテーブルを囲み和やかに懇親を深められました。
  その後、アドバイザーの波佐間宗清氏の中締めの挨拶で締めくくられました。


乾杯の発声 中締め挨拶



7月20日(金)
<講義>谷端昭夫氏(裏千家学園講師)
  「裏千家歴代の茶室と茶の湯」と題し講義。歴代家元と宗家茶室群についての逸話や関係について解説され、受講者は裏千家の歴史について理解を深めました。




<事例発表>山崎宗克氏(淡交会横浜学校茶道連絡協議会・青山学院横浜英和中学高等学校指導者)
  シオン祭(文化祭)、クリスマス呈茶、留学生との交流活動など、学内での活動をはじめ、生徒を自宅に招いての茶事や、学校茶道エッセイ、許状取得の取り組みなど、学校と協力して幅広く取り組まれている事例が紹介されました。最後に、自身の活動を踏まえ、顧問(学校)とのコミュニケーションの重要さと、茶道部の活動が学校方針に役立っていることが大切と発表されました。




<大徳寺聚光院利休居士墓参・金毛閣拝観>
  受講者は大徳寺に移動し、利休居士墓参と金毛閣拝観を行いました。猛暑日のなか、初めての墓参や拝観に深い感銘を受ける受講者もみられ茶道への志を新たにする機会となりました。また、昼食は大徳寺内で精進鉄鉢料理を味わいました。




<平成茶室呈茶・裏千家インフォメーション・実技解説>
  平成茶室「聴風の間」では心尽くしの一碗が呈され、涼やかなひと時を楽しみました。また、裏千家学園茶道専門学校の紹介や茶道文化検定、文化力応援企業(団体)登録制度について説明がありました。引き続き、裏千家学園3階にて、中村宗石今日庵業躰による割稽古・薄茶平点前の実技解説があり学生・生徒に指導する際のポイントをわかりやすく解き明かされ、その実践方法を学びました。


平成茶室での呈茶 裏千家インフォメーション

実技解説


7月21日(土)
<分科会U>
  初日に続いて学校種ごとに分科会を開催。研修会も3日目ということもあり、受講者は互いに積極的に発言し、より踏み込んだ情報交換の場となりました。


<全体会>
  アドバイザーの永野宗骼≠フ進行で、分科会で話し合った内容を学校種ごとの代表8名が発表しました。


幼稚園・保育園(所) 小学校A 小学校B


中学校 高等学校A 高等学校B


高等学校C 大学・短期大学・各種専門学校


<閉講式>
  閉講式では、野口今日庵事務局長より、学校茶道指導者研修会の受講者を代表して長谷川宗徳氏(北海道学校茶道連絡協議会副委員長・苫小牧支部副幹事長)、また、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して岩渕奈央氏(仙台育英学園高等学校教諭)にそれぞれ修了証が授与されました。




  続いて、主催者を代表して野口今日庵事務局長より、「学校茶道は、全国各地の先生方の情熱と愛情で支えられています。これからも皆様の自由な発想で、学校と一体となって、未来を担う子供達に感動的な体験をさせてあげていただきたい」と挨拶があり、その後、畑中宗香氏(相模支部幹事)が受講者を代表して謝辞を述べ、3日間に亘る研修会を終了しました。