第45回学校茶道指導者研修会・第35回学校茶道担当者講習会
合同研修会



  平成26年7月18日(金)から20日(日)までの3日間、宗家・京都東急ホテルを会場に開催し、淡交会各学校茶道連絡協議会の会員122名、全国の裏千家茶道採用校の教職員等16名の計138名が受講しました。

7月18日(金)
<開講式>
  午後1時30分からの開講式では、千 宗室家元が挨拶に立たれ「皆さま方は学生を指導されることにおいて、日本の未来を創っておられます。日本の未来が本当に、日本らしい素晴らしい姿で広がっていくかどうかは、皆さま方お一人おひとりにかかっているのです。誇りを持って今後ともご指導いただきますようお願いいたします」と受講者を激励されました。



<基調講演> 伊ア一夫氏(奈良学園大学人間教育学部教授)
  「未来をつむぐ学校茶道―伝統文化への入口―」と題し講演。明治維新後、茶道がいち早く学校教育に取り入れられた歴史や学校茶道の普及・拡大について教育制度の変遷に沿った解説がありました。また、日本の総合文化の代表である茶道の果たす役割や意義について講演されました。



<分科会T>
  受講者は学校種ごとに6グループに分かれ、アドバイザーの進行のもと互いの指導校の状況等を語り合いました。

座長
大学・短期大学・各種専門学校  船生宗敏氏(東日本国際大学教授)
高等学校A  淺沼宗博氏(皇學館大学現代日本社会学部特別招聘教授)
高等学校B  中原宗正氏(徳島県立阿南工業高等学校教頭)
中学校    小関洋治氏(元和歌山県教育委員会教育長・公益財団法人南葵育英会理事長)
小学校    永野宗骼=i高知県教育委員会事務局教育次長)
幼稚園・保育所(園)   染山宗江氏(淡交会参事)

大学・短期大学・各種専門学校 高等学校A

高等学校B 中学校

小学校 幼稚園・保育所(園)


<夕食懇親会>
  関根秀治副理事長の挨拶に続いて、アドバイザーの小関洋治氏のご発声で乾杯。学校種ごとにテーブルを囲み、終始和やかな雰囲気の中、懇親を深めました。




7月19日(土)
<講義> 永野宗隆氏(高知県教育委員会事務局教育次長)
  「学校茶道指導者・担当者に期待すること」題し、講義が行われました。
  小学校や教育委員会に長年身を置く立場から、子供たちを取り巻く環境や、伝統文化教育の変遷について解説。指導者・担当者が茶道を通じて日本の良さを伝えていくことの大切さを語る内容でした。



<事例発表> 原 宗江氏(淡交会川崎学校茶道連絡協議会会員)
  日本中央競馬会(JRA)の騎手養成競馬学校において創立以来30年に亘り続けてこられた茶道指導について発表がありました。生徒たちが茶道を受け入れてくれなかった初期の苦労や落馬事故で亡くなった卒業生の話、更には騎手となってからもらった言葉に感動した話など、茶道指導者としての平坦でない歩みが紹介され参加者から共感を得ました。



<大徳寺聚光院利休居士墓参・金毛閣拝観>
  受講者は大徳寺に移動。利休居士墓参と金毛閣を拝観しました。

<実技解説>
  裏千家学園に会場を移し、中村宗石今日庵業躰による実技解説がありました。「盆略点前」の歴史や指導する際のポイントを平易に解説。モデルは立命館小学校の児童4名がつとめました。



<平成茶室呈茶>
  受講者は、兜門をくぐり平成茶室へ。初めて平成茶室に入る受講者も多く、ひと時暑さを忘れて、一服をいただきました。

7月20日(日)
<分科会U>
  初日に続いて学校種ごとに分科会を行いました。受講者が日頃の茶道指導における悩みや指導者としての喜びを語り合い、より踏み込んだ情報交換の場となりました。

<全体会>
  アドバイザーの永野宗骼≠フ進行で、分科会で話し合った内容を学校種ごとに代表6名から発表がありました。

大学・短期大学・各種専門学校 高等学校A

高等学校B 中学校

小学校 幼稚園・保育所(園)


<閉講式>
  閉講式では、主催者を代表し関根副理事長より、「『洒掃(さいそう)・応対・進退』を最低限度教えてくれるのがお茶です。皆さま方の誇りと情熱が学校茶道を支えており、これからの日本をも支えていく、創っていくものだろうと思います。これからの日本のために学校茶道がより充実していきますよう、皆さま方の御心を寄せていただくようお願い申し上げます」と挨拶がありました。


  続いて学校茶道指導者研修会の受講者を代表して川崎宗景氏(奄美大島支所副幹事長)、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して荒木由紀子氏(栃木県せんだん幼稚園園長)に修了証書が授与され、佐々木宗良氏(伊予支部元幹事長・監事)が代表して謝辞を述べ、3日間に亘る研修会を終了しました。

指導者研修会代表拝受 担当者講習会代表拝受

受講者代表謝辞