第43回学校茶道指導者研修会・第33回学校茶道担当者講習会
合同研修会

  7月13日から15日までの3日間、宗家・京都東急ホテルを会場に開催し、淡交会各支部学校茶道連絡協議会の会員164名、全国の裏千家茶道採用校の教職員等24名の計188名が受講しました。



7月13日(金)
<開講式>
  午後1時30分からの開講式では、木戸崇夫淡交会常任理事より「学校茶道の持つ教育効果を少しでも高める為、子どもたちと日本の将来の為に共に学び先生方と協力体制を作っていきたい。」と主催者を代表し挨拶がありました。



<基調講演> 筒井紘一氏 (今日庵文庫長・茶道資料館副館長)
  新島八重が来年の大河ドラマの主人公になることに因み、「八重の桜と学校茶道」と題し講演。学校茶道が始まって140年。その先駆けとなった京都の新英学校女紅場(現府立鴨沂高校)で茶道指導を行った第12代家元夫人の真精院猶鹿子様や、第13代圓能斎家元との関わり、また明治以後、女性が中心となり「するお茶」から「教え学ぶお茶」へと変化し、学校茶道が盛んになった背景を講演いただきました。



<事例発表T> 佐藤宗秀氏 (淡交会宮城支部幹事長)
  裏千家宮城学生茶道連盟の立ち上げや東日本大震災後の呈茶活動など、宮城支部で取り組まれている青年部と学校茶道の連携についての事例発表があり、ともに活動していくことが相互理解に繋がると結ばれました。



<事例発表U> 山下宗辰氏 (磐田市青城小学校元教諭)
  特別支援学級で指導を始め、続けていく中で、茶道が子どもたちへ与える影響は礼儀作法が身に付くだけに止まらず、よき人間関係を築ける手助けになったと発表がありました。



<分科会T>
  学校種ごとに受講者が9会場に分かれ、アドバイザーの進行のもと分科会が行われました。初日の分科会では、受講者同士がお互いの指導する学校の状況等を知り、交流を深めました。

アドバイザー  淺沼宗博氏(皇學館大学現代日本社会学部特別招聘教授)
             小関洋治氏(元和歌山県教育委員会教育長・公益財団南葵育英会理事長)
             中原宗正氏(徳島県立徳島中央高等学校昼間教頭)
             永野宗隆氏(高知県教育委員会参事・小中学校課課長)
             名取宗康氏(千葉県立検見川高等学校教頭)
             波佐間宗清氏(下関市教育委員会教育長)
             船生宗敏氏(東日本国際大学教授)
             山本宗義氏(須磨浦学園園長・同小学校校長・同幼稚園園長)
             吉田宗石氏(神奈川県立七里ガ浜高等学校校長)

大学・短期大学・各種専門学校 高等学校A 高等学校B

高等学校C 中学校・高等学校 正科 中学校

小学校A 小学校B 幼稚園・保育園


<夕食懇親会>
  アドバイザーの小関洋治氏から乾杯の発声があり、学校種ごとにテーブルを囲み、終始和やかな雰囲気の中、懇親を深めました。


7月14日(土)
<講義> 吉田宗石氏 (神奈川県立七里ガ浜高等学校校長)
  「より良き日本人であるために〜茶道を生かした学校経営〜」と題し講義。国際化が進む日本において自国の文化を知らない子どもたちが多く、茶道教育がどのような役割を果たしているのか事例を交え、学校経営者という立場からのお話をいただきました。



<大徳寺聚光院利休居士墓参・金毛閣拝観>
  受講者は大徳寺に移動し、4班に分かれて利休居士墓参と金毛閣拝観を行いました。



<実技解説>
  裏千家学園に会場を移し、町田宗隆今日庵業躰による実技解説がありました。「割稽古」と「盆略点前」を指導する際のポイントを平易に解説。モデルは京都文教中学校の生徒6名が務めました。



<利休御祖堂参拝と茶室拝観>
  初めて宗家を訪問する受講者も多く、茶道への精進を新たにする機会となりました。



7月15日(日)
<分科会U>
  初日に続いて分科会を行いました。受講者が日頃の茶道指導における気付きや課題を語り合い、情報交換の場となりました。



<全体会議>
  アドバイザーの永野宗隆氏の進行で、分科会で話し合った内容を学校種ごとに代表9名から発表がありました。



<閉講式>
  閉講式では、主催者を代表して関根秀治淡交会副理事長から「若い世代に茶道を伝えるには、お茶の魅力は勿論ですが、私はお茶の魅力が半分、先生の魅力が半分と認識しています。これからもよりよき指導者としての研鑽に務め、斯道発展にご尽力いただきたいと存じます」と挨拶がありました。


  その後、学校茶道指導者研修会の受講者を代表して千田宗清氏(岩手南支部学校茶道連絡協議会会員)、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して浦野宗惠氏(片男波保育所所長・淡交会和歌山支部幹事)に修了証書が授与。引き続き横倉宗翠氏(高松支部幹事長)が代表して謝辞を述べ、3日間に亘る研修会を終了しました。

指導者研修会代表拝受 担当者講習会代表拝受

受講者代表謝辞