第40回学校茶道指導者研修会・第30回学校茶道担当者講習会 合同研修会

研究テーマ 「茶の湯に出会う、日本に出会う ― 今、茶道を通じて伝えられるもの ― 」

  7月20日(祝・月)〜22日(水)の3日間、宗家・京都東急ホテルを主会場に、淡交会各支部学校茶道連絡協議会会員132名、全国の裏千家茶道採用校の学校長・茶道部顧問教諭48名の計180名が受講しました。



 
【7月20日】
  開講式では、千 宗室家元が「子どもたちは基本的な動作や点前作法を繰り返し学ぶことから、やがて身につき、茶の湯を楽しめるようになります。学校茶道に携われる皆様には子どもたちの顔をしっかり見て、声をかけ、子どもたちの茶道を学ぶ意欲を高めてあげてください」と挨拶されました。




 
  引き続き、関根秀治裏千家事務総長・淡交会副理事長から、総本部報告が行われ、裏千家の学校茶道への取り組みの経緯や近年茶道採用校が増加傾向にあることなどについて説明がありました。




 
基調講演 梶田叡一 兵庫教育大学学長・第5期中央教育審議会副会長
  「伝統・文化の教育の考え方と課題」と題して、日本の伝統文化を重視した教育基本法改正の経緯と新学習指導要領の基本的な考え方を解説、受講者は今後の学校茶道に貴重な示唆を得ました。




意見交換会
  次の方を座長として学校種毎に8グループに分かれ行われました。各受講者から活動内容や指導の工夫点について熱心な報告があり、茶道指導者としての気付きや悩み、喜びを共有する機会となりました。


《座長》

1.大学・短期大学・高等専門学校・各種学校


船生宗敏氏(東日本国際大学教授)

2.高等学校中原宗正氏(徳島県立富岡東高等学校教頭)

3.高等学校吉田宗石氏(神奈川県立舞岡高等学校校長)

4.中学校・高等学校(正科)淺沼宗博氏(皇學館大学文学部特別招聘教授)

5.中学校小関洋治氏(前和歌山県教育委員会教育長)


        (和歌山大学客員教授)

6.小学校永野宗隆氏(高知県教育委員会小中学校課課長)

7.小学校波佐間宗清氏(下関市教育委員会理事)

8.幼稚園・保育園山本宗義氏(須磨浦学園長・同小学校校長・同幼稚園園長)


1.大学・短期大学・高等専門学校・各種学校 2.高等学校


3.高等学校4.中学校・高等学校(正科)


5.中学校6.小学校


7.小学校8.幼稚園・保育園


 また、意見交換会後、夕食懇親会が行われ、受講者は同じ志を持つ者同士の親睦懇親を深めました。




 
【7月21日】
事例発表T 伊藤聡品川区教育委員会事務局指導課指導主事
  「品川区独自教科“市民科”における学校茶道の取組み」と題して、同区が平成18年度から導入する「市民科」の概要や教育的効果について発表がありました。




 
講義T  久保庭信一 財団法人伝統文化活性化国民協会常務理事・元文化庁次長
  文化庁が同協会に委託する「伝統文化こども教室」を例に、日本の伝統文化を子どもたちに伝えることの重要性についての講義がありました。




 
事例発表U 眞田宗朱 岩国支部常任幹事
  同支部が5年間に亘り取り組んだ「伝統文化こども教室」の発表がありました。




 
基準点前解説
  受講者に実際の茶道指導を見学いただく機会として、阿部宗正今日庵業躰が担当しました。
  学校茶道の充実に市を挙げて取り組む京都市教育委員会の推薦を得て、京都市立西京高等学校附属中学校「日本の伝統部」生徒8名が、お茶・お菓子のいただき方や盆略点前のモデルを務めました。




 
利休祖堂参拝、茶室拝観、呈茶、茶道資料館見学
  初めて兜門を潜る受講者も多く、茶道への思いを新にする機会となりました。




 
【7月22日】
講義U 淺沼宗博 皇學館大学文学部特別招聘教授
  指導者に求められる資質等について「良き指導者とは…」と題した講義がありました。




 
全体会議
  7月20日の意見交換会の内容が、各グループの代表から発表されました。
  進行は永野宗隆氏がつとめました。


 
閉講式
  木戸崇夫裏千家事務局長・淡交会常任理事から、学校茶道指導者研修会の受講者を代表して蒲宗智氏(飛騨支部学校茶道連絡協議会委員長)、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して長谷川敬子氏(岩国市立御庄小学校校長)に修了証書が授与、引き続き鈴木悟氏(宮城県田尻さくら高等学校校長)から謝辞があり、 3日間に亘る研修会を意義深く終了いたしました。


指導者研修会代表拝受 担当者講習会代表拝受


代表謝辞