第8回裏千家茶道ビギナーズセミナー




  令和元年10月6日(日)、安分庵(大阪市中央区 損保ジャパン日本興亜大阪ビル内)において「裏千家茶道ビギナーズセミナー」が開催され、関西圏を中心に21大学(短期大学・大学院を含む)から48名の学生が受講しました。
  このセミナーは、裏千家茶道の次代を担う学生が今日庵業躰の指導のもと茶道の基本を学ぶとともに、様々な茶道体験を通じて、修道意欲と茶道の継続意識向上を図ることを目的として開催しています。

  午前9時40分より、開講式が行われ、主催者を代表して松尾拓二淡交会総本部事務局次長兼組織部部長より挨拶。オリエンテーションの後、受講生は研修に移りました。

  研修@では、「茶の科学」と題して冨士田宗啓今日庵業躰による講義が行われました。お茶の起源やお抹茶と他の種別方法等について学びました。




  続いて、裏千家学園より裏千家学園の紹介、総本部より文化力応援企業(団体)登録制度・茶道文化検定の紹介がありました。




  午後1時からの研修A「体験実習」は、4つのグループに分かれて行いました。
 A:床と花の準備体験
 今日庵業躰部の指導のもと、掛物の扱いや花の入れ方等を学びました。





  B:炭と灰形の体験
 今日庵業躰部の指導のもと、風炉の灰形を作りました。自分たちで釜を合わせるところから始めて、灰を切りました。出来上がった灰形に炭を入れるまでの体験を流れに沿って学びました。



C:石臼体験
 冨士田業躰の解説により石臼の構造について学び、その後実際に茶葉(碾茶)を石臼で挽くなど、碾茶の状態から抹茶になるまでの工程を学びました。



D:和菓子作り体験
 御菓子司 鶴屋八幡様の指導で「きんとん」を製作しました。受講生全員が、真剣な面持ちで取り組みました。



  研修Bの「お茶会」は、体験実習で学んだことを早速お茶会で活かすという企画で行われました。「床と花の準備体験」のA班が掛物と花を用意し、「炭と灰形の体験」のB班が風炉を準備、「石臼体験」のC班が挽いた抹茶と「和菓子作り体験」のD班が製作したお菓子を用いてお茶会を開催。日頃のお稽古の実践の場ともなり、班毎に亭主・半東・水屋・お運びの役割を分担し、楽しみながらの研修となりました。お茶会では自分たちの担当したものを熱心に説明するなど、前の体験実習で学んだことが早速活かされました。


【安分庵 B・C班】

お茶席 水屋


【松竹梅の間 A・D班】

お茶席 お茶席


  午後4時30分より閉講式が行われ、受講者を代表して同志社大学大学院の藤本秋(みのる)さんに修了証が授与されました。続いて、主催者を代表して松尾事務局次長より挨拶があり、全てのプログラムを終えました。


修了証授与


  受講生からのアンケートでは「“茶の科学”の講義が面白かった」、「先生方がとても丁寧でわかりやすかった」、「同年代の仲間と共に学ぶこと、交流することができ、大変充実した1日になった」、「是非、大学の茶会に活かしたい」など、様々な声が寄せられました。
  好評のうちに幕を閉じた令和元年度の第8回ビギナーズセミナー。受講生が今後も茶道を楽しみながら続けてくれることを期待しています。