第7回裏千家茶道ビギナーズセミナー


  平成30年10月7日(日)、裏千家今日庵東京道場(新宿区市谷)において「裏千家茶道ビギナーズセミナー」が開催され、東京を中心とする26校(短期大学・大学院を含む)から66名の大学生が受講しました。
  このセミナーは、裏千家茶道の次代を担う学生が宗家の教場で茶道の基本を学ぶとともに、様々な茶道体験を通じて、修道意欲と茶道の継続意識向上を図ることを目的として開催されました。

  午前9時30分より開講式が行われ、主催者を代表して長谷川義翁淡交会常任理事・総本部事務局長より挨拶。その後、受講生は御祖堂を遥拝。日頃の修練を利休居士に奉告しました。


開会式 御祖堂遥拝


  研修@では、「茶の科学」と題して冨士田宗啓今日庵業躰による講義が行われました。お茶の種類や栽培方法等について学びました。


講義 講義


続いて、総本部より文化力応援企業(団体)登録制度・茶道文化検定・青年部・裏千家学園の紹介がありました。




  午後1時の研修A「グループ別研修」では、4つのグループに分かれて体験実習を行いました。

A:床と花の準備体験
  中島宗爵今日庵業躰の指導・解説のもと、掛物の扱いや花の入れ方等を学びました。



B:炭と灰型の体験
  今日庵業躰部の指導のもと、3人1組で風炉の灰型を作りました。灰さじを持つのは初めてという方ばかりでしたが、自分たちで灰を切る所から始め、出来上がった灰型に炭を入れるまで一連の体験とその流れを学びました。



C:石臼体験
  冨士田宗啓今日庵業躰の解説により石臼の構造について学び、その後実際に茶葉(碾茶)を石臼で挽き、挽きたての抹茶でお茶を点ててみるなど、碾茶の状態から口に入るまでの工程を学びました。



D:和菓子作り体験
  亀屋萬年堂(吉祥寺)ご当主(長野祐治様)の指導で「秋の粧きんとん」を製作しました。



  研修Bの「お茶会」は、グループ別研修での学びを早速お茶会で活かすという企画で行われました。「床と花の準備体験」のA班が掛物と花を用意し、「炭と灰型の体験」のB班が風炉を準備、「石臼体験」のC班が挽いた抹茶と「和菓子作り体験」のD班が製作したお菓子を用いてお茶会を開催。2班一組として亭主・客を交替で担当。日頃のお稽古の実践の場ともなり、班毎に亭主・半東・水屋・お運びの役割を分担し、楽しみながらの研修となりました。お茶会では自分たちの担当したものを熱心に説明するなど、賑やかなお席となりました。


【翔鳳の間 A・D班】



【竹有軒 B・C班】



  午後4時30分より閉講式が行われ、受講者を代表して大妻女子大学の三浦彩さんに参加証が授与されました。続いて、主催者を代表して長谷川義翁淡交会常任理事・総本部事務局長より挨拶。その後、冨士田宗啓今日庵業躰より講評がなされ、全てのプログラムを終えました。


参加証拝受 冨士田業躰 講評


  受講生からのアンケートでは「初心者でも親しみやすく、非常に良いプログラムだと思いました」、「“茶の科学”の講義が面白かった」、「みんなが準備したもので行ったお茶会が素敵でした」、「水屋の動きが大変勉強になりました」など、様々な声が寄せられました。
  好評のうちに幕を閉じた平成30年度の第7回ビギナーズセミナー。受講生が今後も茶道を楽しみながら続けることを期待しています。