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温故知新

千 宗室

  去る十月八日に倅・たんしんさい せん 宗史そうし若宗匠格式宣誓式を宗家にて、翌九日と十三日に格式奉告献茶式と披露茶会を京都と東京にてそれぞれ執り行わせていただきました。いろいろなご縁でこのように一つの節目を迎えることができ、心より有難く存じます。大徳寺聚光院、明治神宮をはじめ種々お世話になりました皆さま、当日ご出席いただきました方に改めて御礼申し上げますとともに、同門の皆さまには今後ともよろしくご厚誼くださいますようお願い申し上げます。

  さて、各服点をご紹介するにあたって「全く新しい、今の時代に合わせたものを発表されたらよいのではないですか」というご意見をいただきました。
  一本の大木を想像してみてください。しっかり根を張った木というものは、それに応じて枝葉を茂らせています。中心がしっかりしていてこそ枝は長く伸び、葉もたくさん茂ります。各服点も圓能斎宗匠が考えられたものをまず知っていただいた上で、これから先皆さま方の工夫でもってこの時代やそれぞれが稽古されている場所に合わせた枝葉を茂らせていくことで、私は一向に構わないと存じています。
  そのためにも、まず基本として圓能斎宗匠のこの各服点を学んでください。そうして常日頃から茶の香りを逃がすことなく手早くおいしい濃茶を練る稽古をしてみてください。私も一人前の濃茶を手早く練るのには長い時間がかかりました。繰り返し繰り返し稽古することが、目的とする場所に間違いなく自分を導いてくれる唯一の手法です

淡交タイムス 11月号 巻頭言より