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自らを高める

千 宗室

  明けましておめでとうございます。
  年があらたまると、「今年はこんなふうになりたい」とか「こんなことをしたい」といった目標を立てたり、あれこれ思いを巡らす方も多いかと存じます。私は年齢を重ねる中で、「今年どうしたい」ということを考えるためにはまず「今年こそここを補おう、ここを直そう」という気持ちが必要だと感じるようになりました。それには今の自分の姿というものをしっかりと見つめる気持ちがなくてはなりません。
  人間は自分の良いところを自分で認識できるはずです。しかし、自分で見つけるのではなく、人に見つけてもらい励ましてもらおう・・・・・・・・・・・・・・・・・とするのは何に対しても依存心を生みやすくなります。また良いところばかりを探していると、「自分にはこれだけ良いところがあるのだから、少しくらい悪いところがあってもよいのではないか」という甘えが出てくるのも事実。常に自分に足りないところを謙虚に見つめ、補おうという気持ちを持つことが自身を活性化させ、高めていくことになります。
  いよいよ東京オリンピックの開催が迫り、日本にとって記念すべき一年が始まりました。裏千家にとっても節目の行事が重なる大事な年となります。しっかりと足元を見て自分自身と向き合いながら、茶の湯者としてのスキルを高めるべく日々心掛けてまいりたいと存じます。

淡交タイムス 1月号 巻頭言より