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初釜式に寄せて

千 宗室

  謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
  年を越し新たな一年を迎えるお正月は相変わらずと喜び合う時期。多くの人と今年も出会い「相変わりませず」と言って感謝する気持ちを、茶の湯の世界で確認する場が初釜式です。今年も例年通り一月七日から執り行います。
  初釜式は宗家における「稽古始め」の意味も持っています。それは私にとりましても同じで、お社中方の前で点前をする稽古の場だと思っています。お越しになられた教授者のためになるように、一席一席心がけて点前を致します。
  例えば、意外とできていない方が多いので申し上げますと、茶筅を置く際に畳目の山ではなく山と山の間に置く等。正しく自分のなかで確認しつつ行うという意味でも私にとっての稽古始めです。そして、初釜式に「教授」以上で社中をお持ちの方々をお招きしているのは、来られる方々もその社中を代表して稽古始めに臨んでください、客の稽古始めをここでするのです、という意味です。
  最近は大寄せの茶席が増えていますが、大寄せでも全員が気持ちを一つにしようとすることでその一座がピリッと締まります。濃茶の際、正客が茶碗を取り込み客一同で総礼をするのは「皆でこの一会を共にしましょう」と確認し合うこと。亭主も客も、どの瞬間も一期一会であるという気持ちになるのは非常に難しいことですが、心がけているのといないのでは違います。
今年もよい稽古始めを初釜式でさせていただきたいと存じます。

淡交タイムス 1月号 巻頭言より