レッスン風景

ロイヤルパークホテル教室(木曜日)


レッスン風景4

 重陽の節句間近、お稽古最終日は許状授与式とお茶会がありました。床には、お軸に利休居士画像、そして花入、香炉、燭台の三具足が飾られ、お菓子とお茶のお供えがしてありました。お軸は「今日、茶道の門を敲き、その教えを聞くご縁ができたことを嬉しく思います。いつの日か茶道の修練を重ね茶道の真髄を体得できることを願っております」という意が込められていることを伺いました。

 まずは幹事長より、「皆さんは、帛紗捌き等の割り稽古を積み重ね、お薄を点てられるようになりました。日本文化に触れられたことは素晴らしいことです。これからが出発点となりますので、継続して精進されることを願います」と温かいお言葉をいただき、利休居士が見守る中、受講者1人1人に許状が授与されました。なかなか思うようにお点前ができなかった日々を振り返ると、胸が熱くなりました。その後、2班に分かれてお茶会を行いました。

 緊張と不安で迎えた初日からあっという間の6か月間。仕事が忙しくてもお稽古に行くことが楽しくなり、慌ただしい日常から離れ、お茶だけに集中することができた幸せな時間でした。一緒に学んだお仲間はとてもお人柄がよく、皆さんにお会いするのも楽しみでした。利休百首の「稽古とは一より習ひ十を知り、十よりかへるもとのその一」のように、これからも生涯学習としてお茶を続けたいと思います。


レッスン風景3

 礼に始まり、礼に終わる。ご挨拶をして、お稽古場に入りお軸とお花を拝見します。今日のお軸は勢いのある「瀧」。不思議とお稽古場に入る前まで感じていた湿気がスッと失せ、気持ちが引き締まります。

 先月から初めて扱う柄杓。神社で手を清める際に何気なく扱っていましたが、お茶では3種類の形を学びました。柄杓の扱いの形は、弓道から来ているとのお話でした。他の方の所作を見ていても、いざ自分の番になると上手く扱えず、難儀しました。柄杓の扱いを学んだ上で、いよいよ薄茶の平点前を通しで稽古することになりました。今まで習った全ての割稽古を通しで進めていき、お茶を点て、お客さまに振る舞います。同時に客側も所作のお稽古をします。お点前の動作が止まる前に先生が「次は何を行う」とご指導くださるので、流れが切れずにお点前が進んでいきます。お点前に棗と茶杓の拝見が加わり、棗、茶杓、夫々の作、銘についても学びました。銘は季節の風物やそこから連想される言葉に例えられることが多いようです。ここでも季節感を出し、客人をおもてなししていることが分かりました。

 いよいよ棚を使ったお点前に入りました。棚があるだけで華やかな雰囲気になります。四角い更好棚と丸い丸卓があり、ここにも「陰陽五行」の考え方があり、棚の姿に合わせた決まり事があるとのこと。「陰」と「陽」のバランスを取ることで、乱れが生じないようにしているようです。これから教えていただくことを思うとワクワクします。

 夏は涼しさの演出として、平茶碗という低い茶碗やガラスの茶碗など、夏ならではのお茶を楽しむこともできました。
 ある日のお稽古では、一緒に学んでいる受講者の皆さんが助けてくださることも。足の運びを間違えてしまったら、小声で「右足、右足」と教えてくださいました。一緒に学ぶ受講者の皆さんも先生です。先生、そしてサポートの先生、皆さまに感謝です。


レッスン風景2

 GW明け、燕子花と新緑のコントラストが美しい風薫る5月、お軸は「薫風自南来」。よき香りの南風が吹き、人の気持ちも草木も、皆爽やかな気分になるという意味とのことです。禅語では、風が全てのものを吹き飛ばしてくれるという意味もあるそうです。茶室に入ってお軸とお花を拝見し、湿気と仕事でバタバタとざわついていた気分が、爽快な気持ちに変わっていきました。
 陶器の花入は一年を通して使われますが、籠の花入は風炉の時期に使うとのこと。決まりごとが沢山あり、覚えられるかと思いがちですが、「おもてなしの心」に立ち戻れば、寒い時期に籠の花入でお迎えしたらお客様に寒々した気分を与えてしまうであろうと考えることで、心遣いさえあれば自然に思い至るように感じました。

 本日は2ヶ所に分かれ、盆略点前のお稽古。今までに割稽古として習った「お道具を準備して運び出す」、「お道具を清める」、「お茶を点てる」、「お道具を清め、片付ける」の各ステップで構成されています。盆略点前は字の如くお点前を略したものですが、全てのお点前の基本となるものとのこと。他の方のお点前をしっかり拝見していたつもりが、いざ自分の番になると次に何をするか分からなくなってしまうもどかしさ、いつか手が勝手に動くようになる日を楽しみにお点前だけに集中する楽しさと、新たな知識を得る喜びを感じながら今日のお稽古が終わりました。


レッスン風景1

 美しい日本庭園の中に風情あるお茶室「耕雲亭」。こちらのお茶室は、かつて世田谷区の静嘉堂文庫に存在した三菱財閥・岩崎家ゆかりの名席「釣月庵」を模したものとのこと。その由緒あるお茶室がお稽古場となります。

 初日のお稽古の始まりは淡交会東京第五西支部 岩上宗英幹事長より、開講の意義を伺いました。「茶道(裏千家ではちゃどう)は総合芸術であり、書道、香道、華道、お菓子が一つのお部屋に詰まっている。おもてなしの心、相手に“楽しさ”をお伝えする。色々なものや人に対して感謝の気持を抱き、頂戴する。有意義な良い時を過ごして下さい。」とのお言葉をいただきました。
 先生からは、千利休の教え「その道に入らんと思う心こそ我が身ながらの師匠なりけれ」一歩踏み出して茶道を学びたいという気持ちが師匠であるということ。繰り返し行うことで自分の実になるというありがたいお話を伺い、学びたい気持ちが高まりました。

 お稽古は基本的なことから学んで参ります。まずはご挨拶。お辞儀の仕方、続いて襖の開け閉め、立居振舞、席入の仕方、お軸の拝見の仕方を学びました。どれも決まり事があり、機能的かつ美しく、無駄のない所作でした。襖の開け閉めは時代劇で見たことがありますが、頭で理解していても、やってみると中々思うように身体が動かず、何度もやって体で覚えることが重要との先生のお話しに勇気づけられました。
 集中していると足が痺れて立てなくなるというハプニングも。そんな時も、先生が足が痺れた際のリカバリー方法を教えて下さいました。
 最後に、なんと自分でお茶を点てることも行いました。「シャカシャカシャカシャカ」茶筅でお茶を点てる所作は、心が少しホッとしました。
 お菓子とお茶を頂戴する所作を教えて頂き、お菓子を口にした時には疲れが吹き飛び、自分の点てた記念すべき第一回目のお茶が元気になるエネルギーとなりました。
初日の感想は、敷居が高いと感じて中々踏み出せなかったお茶の世界に一歩踏み出すことで、道が開けることが分かりました。決まりが多く面倒なのではと思って躊躇しておりましたが、仕事などの日常を忘れ、2時間お稽古に集中することができ最高の気分転換、有意義な時間となりました。はじめの第一歩を楽しい記憶にして下さった先生方に感謝致しております。また、共に6ヶ月間学ぶお教室の受講者の皆さんも和気藹々、良いスタートとなりました。

 「こ機嫌よろしゅうございます。本日のお稽古よろしくお願いいたします。」のご挨拶をしてお稽古が始まります。
 お花について、利休七則に「花は野にあるように」とあります。自然の姿を尊び、一瞬の美しさをもってお客様へのおもてなしを行います。
割稽古では先生からの「一回二回じゃ覚えられないから、何度もやりましょう。」とのお声掛けが励みになります。先生のお隣に座らせて頂いたり、お隣にきて下さって同じ向きで帛紗捌きを丁寧に教えて下さったことで理解が進み、有り難かったです。
 水屋で茶巾の絞り方や、茶巾をたたんで茶碗に仕組み、茶碗を清めることも教わりました。棗もお茶碗も清める所作は無駄がなく流れるような一連の動きですが、部分的に割稽古を行うことで意識しなくても「『今』の気持ちに集中する」ことが自然に身についていきます。
 最後にお菓子とお茶を頂き、ほっと一息。季節を感じるお菓子をいただけるのも楽しみの一つです。
 本日のお菓子は「藤波」、ゴールデンウィークに藤棚を観に行きたくなりました。

 この日のお軸は「柳は緑 花は紅」、お花は「紫蘭」と「白山吹」。お花は先生がお庭で丹精込めて育てておられる貴重なお花です。花入は「一重切竹花入」、エピソードも交えてお話しして下さるので、記憶に残ります。

 お茶が楽しいことの一つは、全て理にかなった規則があるということに思えます。それにより次に行うことを迷わなくて済む、他のことに気を配ることができるのかと思います。
 先生は「頭ではなく、体で覚えて下さいね。進み方は人夫々ですので、焦ったりしなくて大丈夫ですよ。何度でも聞いてください、質問を伺いますから。」と温かい言葉をかけて下さるので、安心して自分が今やっていることに集中できます。


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