レッスン風景

ウェスティン都ホテル京都教室


レッスン風景5

 暑さの和らぐ季節です。最終回前のお稽古では、濃茶を頂く体験をしました。いつもの薄茶とは見た目も味も舌触りもまったく違い、とにかく濃厚で、お茶の風味が圧縮されています。あまりの濃さに、口にした瞬間唖然とする受講者も。

 そして最終日。いよいよこの半年間の締めくくりです。
 許状が授与されて、このお稽古も一区切りとなります。私たちはお茶の世界をそっと覗き、その入り口にようやく立たせてもらったというところでしょうか。

 最後は受講者全員でお茶会を開きました。役割分担し、少々の緊張もありつつもなごやかな雰囲気で進行しました。
 4月と比べ、皆の立ち居振る舞いもずいぶん変わりました。茶会の会話を楽しむ余裕も出てきたように思います。

 今後は、この教室で頂いたお茶とのご縁を、それぞれのスタンスで深めてゆくことになります。さらに学びを進めるもよし、お茶の心を日常に生かすもよし、開かれているお茶会に参加してみるもよし。
 半年にわたり、普段の生活とはまったく違う体験をしたことで、私自身も新たな発見がありました。

 優しく丁寧に指導して頂いた先生方、共に楽しく過ごした受講者の皆様に感謝です。
 ありがとうございました!

 ゆく秋や 茶の香の残る 可楽庵


レッスン風景4

 お稽古は棚を用いた薄茶点前に入りました。見た目がガラリと変わり、気持ちも新たになります。

 最近は教室の雰囲気に慣れてきて、緊張感も薄らぎ、リラックスして楽しんでお稽古しています。先生方も優しく、お茶に関する知識からちょっとした雑学まで、色々なお話をしていただけます。

 お稽古ではほぼ毎回、亭主役とお客役どちらもお稽古します。基本的な所作は徐々に身についてきたように思います。とはいえ私などは拙速な動きがクセとなっており、お稽古ではいくつもご指導をいただきます。
 この「初心者のための茶道教室」の最終回は、全員参加のお茶会で締めくくられます。それに向けて力を入れて練習していきたいです。

 9月のお菓子を一つご紹介します。
 こちらは重陽の節句にちなんだ「着せ綿」。菊を模してあり、邪気払いや不老長寿を願った風習を表現したものです。
 この教室では、約20回のお稽古を通して、様々な種類のお菓子をいただきました。これを機に、お気に入りの和菓子屋さんを見つけてみようと思います。


レッスン風景3

 2つのグループに分かれて平点前を繰り返しお稽古していきます。点前は頭で考えるというより身体で覚えていくものだと思うので、ひたすら反復練習です。毎週繰り返しているはずの動作ですが、「次はなんだっけ…」と動きが止まることがよくあります。1つ1つはシンプルな動作なのに、いざ繋げて行おうとするとなかなか難しいものです。

 私がお点前のお稽古以外でいつも楽しみにしているのが、先生による軸とお花の解説です。毎回、メッセージ性のある軸や季節にちなんだお花が入れられています。お軸は文字でなく絵の場合もあったり、お花は花入からして様々であったりと、楽しみ方の幅が大変広いです。
 茶道は日本文化の総合芸術である、と聞いたことがありますが、まさにそれを実感しています。

 また、8月からは「お道具の拝見」が加わりました。
 亭主役がお客役に棗と茶杓を見せるのですが、その際に茶杓の銘を考える必要があり、やはり時節や四季を意識します。
 また一つ、季節と向き合うきっかけとなりました。

 この拝見に限らず、茶道では道具ひとつひとつがとても重要な存在で、とにかく丁寧に扱います。
 その心を日常生活でも忘れることなく過ごしていきたいです。


レッスン風景2

 6月下旬より、約2ヶ月ぶりに稽古再開。
 久しぶりのお稽古に右往左往する受講者もいましたが、帛紗の捌き方の復習や、お茶を点てる等の割稽古をしつつ、感覚を取り戻していきます。
 6月は、「盆略点前」でしたが、7月に入ると「平点前」を学びました。平点前のお稽古に入る前に、先生によるデモンストレーションがあり、落ち着いた、美しい所作についつい見入ってしまいましたが、全体の流れやイメージをつかむことができました。平点前においては柄杓の扱いが少々複雑で、私を含め苦戦する人が多いようです。間違うことも多々ありますが、お道具を丁寧な気持ちで扱うこと、姿勢をただすこと、集中しつつも肩の力を抜くこと、といった意識を常に持つのが大事なのかなと思います。

 お菓子は、色や形、銘から季節や歴史を感じ取ることができます。
 写真(左)は、6月末日に食べる風習のある「水無月」という京都ではなじみの深いものです。写真(右)は、八坂神社の祭礼・祇園祭をモチーフにしたお菓子で銘は「祇園囃子」です。お菓子はおいしくて美しいだけでなく、文化や歴史への興味をかき立ててくれる素晴らしい存在です。
 引き続き、楽しみながら頑張っていきたいと思います。


レッスン風景1

 「その道に入らんと思う心こそ 我が身ながらの師匠なりけれ」

 京都東山、ウェスティン都ホテル京都の茶室「可楽庵」にて、稽古が始まりました。自然に囲まれた茶室で、茶道の稽古場として最高の環境であると感じます。

 冒頭の句は利休百首のうちの一首で、「学んでみようという気持ちこそが、自分の中の師匠である」という意です。茶道の心構えの一つとなっているそうです。
 経歴や受講のきっかけは皆さん様々ですが、お茶を学ぼうという志は共通。これからの半年間が楽しみです。

 4月はお辞儀の仕方から、席入り、帛紗捌き、お道具の扱い方など基本の動作を学びました。
 茶道における所作や仕草は、効率の良さと美しさを兼ね備えたものであるとのことで、いつか流れるようなお点前ができるようになりたいものです。

 今回頂くお菓子は「春景色」という銘のお菓子でした。色とりどりの春の様子が表現されています。
 お菓子や茶室のありようで季節を感じることができるのは、茶道の大きな魅力だと思います。
 私は一応、茶道の経験があるのですが、かなり久々で忘れてしまっていることも多く、あらためて所作を学び直し身が引き締まる思いでした。
 稽古後は、まだ冷たさの残る夜風を全身に受け、心地よい疲労感とともに帰路につきました。

 春の夜に 茶筅の踊る 可楽庵


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