レッスン風景

宝塚大学 東京新宿キャンパス教室


レッスン風景20

 桜満開の今日は利休忌で利休居士の遺徳を偲ぶそうです。こんな大事な日に私たちの茶道教室は最終回でお茶会と許状授与式がありました。

 私たちに取りましてお茶会は初めて、そして許状授与でみなさん少し緊張気味でした。先生からはこれからも初心の思いを変らずに持ち続けることが大切とご説明があり、先生のお気持ちが伝わってきました。今日は床に香合と家元の花押のある棗と茶杓が設えてあり間近に拝見させていただきました。このように大切な棗や茶杓を早く扱えるよう研鑽する様にという先生の思いだと感じ、感謝しました。

 私はお茶会では、はじめに亭主を務め、そのあと客、半東をさせていただきました。今日は稽古でなくお客様にお茶を差し上げるので半年間のお教えいただいた感謝の気持ちと、ここまでできるようになった報告の気持ちで、一所懸命にお茶を点てさせていただきました。いくつかの所作で手違いもありましたが、気持ちは少しも変わりませんでした。正客の先生から「美味しいお茶です」とのお言葉をいただき、私にとってはもう1つの許状を頂いたような気持ちになりました。

 生徒の皆さんがお茶を点て、お客様に差し上げ、感謝と緊張の茶会は終了いたしました。ちょっと安心した気持ちになると同時に、すぐに許状授与式に移りました。青井幹事長より「入門」、「小習」、「茶箱点」の許状を頂戴いたしました。私はお茶の稽古をつづけていくと決めましたので、まさに許状を頂いた瞬間から新たな茶道の道がスタートしました。

 本日まで「初心者のための茶道教室」のレッスン風景を掲載させていただきましたが、最後に同じ仲間のKさんの感想を報告させていただきます。(一部抜粋)

 それまでは”うまく”やってやろうという気持ちでいっぱいでしたが平花月を始めてから心構えが変ってきました。これは一人で格闘していた点前が実は孤独でないことに気づいたからで、相手と息を合わせたり、思いやりの心を表したり、その場に居合わせた人と共有するものだと知りました。それからはお稽古に来るのが楽しくなり、休むことなく、さらにはお点前の稽古だけでなく、気に入ったお道具との出会いがきっかけで、周辺の事にも興味を持つようになりました。初回で幹事長先生が「お茶は総合芸術」といったことを思いだしました。自宅でも季節の花を生けたり、お稽古以外の時間でもお茶を点てる事を考えるようになって、生活に潤いが出てきました。

 コース終盤にはお稽古のかいがあってか、体が勝手に動く感覚を感じ始めていました。その分無意識に動いてお点前が雑になっている気もしますので、心と体のバランスと集中力(今に集中する)が必要だと思いました。

 これからもお稽古をつづけて、茶道を通じて豊かな自分を発見したいと思いますし、また、発見できたことを他の人たちに押し付けることなく、伝えることができたらといいなと思いました。

 最後に先生方、仲間の皆さん本当にありがとうございました。来週からこの時間が無くなるのがとても寂しい気持ちになりますが、先生方と同じように、仲間の皆さんも同じ裏千家今日庵の同門として茶道の道を歩んでいきますので、次の機会を楽しみにしております。


レッスン風景19

 今日は19回目の茶道教室、総まとめです。風炉、薄茶点前、丸卓の稽古をしました。3人のグループでしたのでそれぞれが亭主、正客そして半東役を担いました。今日のお花は貝母(ばいも)とぼけでした。これからはお点前だけでなく、軸に書かれている禅の言葉、茶花、そして香の知識も同じように学ばなければならないと感じました。

 私は正客で亭主と半東の所作も見させていただきました。特に半東は詳しくわからなかったので、控える畳の位置や亭主を手助けするときのタイミングなどを覚えました。

 お菓子は半東のお気遣いで早めにいただきました。薄い黄緑の餅にきな粉がかかっており、餡は上品な甘さでとっても美味くいただきました。そして、亭主の点てたお茶はいつもと同じようにきめ細かい泡と、香りがほのかに立ち上り美味しくいただきました。この亭主の方のお点前はいつも感心するのですが無駄な動きがなく、とてもいい感じに思え、最終日にもいただけてラッキーでした。

 お仕舞の挨拶のタイミングが少し遅くなりましたが、棗と茶筅の拝見を請うときはスムーズにできました。今回は半東がお茶を運び、棗や茶杓を出していただけたので、正客役をうまく務めさせていただきました。皆さんそれぞれの役割を間違えずにこなしており、私もしっかり稽古しなければとの思いでした。

 次は亭主役でした。お点前は間違えずにできたのですが、先生からゆっくりとの注意を頂きました。急いでいるつもりはなかったのですが、総まとめということで少し気持の入れ込みが強かったのかもしれません。点てたお茶は黄緑のフワーとした感じでしたが、小さな泡が出ていて、香りの立ちも不十分でした。まだまだ稽古が必要だという事なのでしょうか。何度もお茶を点てるのですが、点てたお茶は毎回違っており満足ではないのですが、そこがまた楽しく次はもう少し上手にとか美味しくとか期待してしまいます。今日は2度目の長着と袴での稽古ですが何度か袴の裾を踏んでしまい、気にしながらのお点前でした。

 お茶の稽古は少しできるようになると、次に稽古する点が見えてきて、それを稽古するとまた次に稽古する点が出てくる、この繰り返しがとても楽しく感じます。スポーツの練習に似ていて、稽古が単調になることはありません。今日の稽古は終わりに近づいてきましたが、次回はお茶会と許状授与式です。久々に子供の様に楽しみで胸膨らむような思いがしてきた19回目の稽古でした。


レッスン風景18

 この茶道教室も残すところ3回となりました。茶室の雰囲気にも慣れた一方、より緊張感を持ったものに感じました。こんな気の引き締まった気持ちを和らげるように黄色い菜の花が活けられていました。

 今日は薄茶点前の復習で教室も終が近くなったと思うと、一つ一つの所作をきちっと身に付けられるよう今まで以上に真剣に稽古しました。半東は亭主の補佐役でお菓子やお茶碗を運んだりするだけのように思っていましたが、亭主の点前のタイミングをつかむのが難しく戸惑ってしまいました。お菓子を運び出す所作、茶室に入るタイミング、控える位置など先生から細かく指示して頂き、亭主の所作にタイミングが合うとお点前の流れがスムーズになりました。お点前の所作の流れを大切にして、リズムを崩さないように心がけました。

 私が亭主をする番では、お点前の余裕はなくても、迷う事なく進むことができました。お湯が少し熱かったので半東に耳打ちしましたが、先生からそのようなときには”ゆっくりとお召し上がりください”と伝えればいいと助言を頂きました。言葉の表現はいろいろな方法があることを学び、正客からはちょうどよいとの返答を頂き、ほっとしました。

 お茶を点てるときはできるだけ背筋を伸ばし、堂々と点てることに心がけていますが、実際は心の余裕がなく硬くなっているようでした。先生が私の緊張を緩めるため時々声をかけていただくのですが、私はお答えするのがやっとで、時には次の所作が飛んでしまうことがあります。まだまだ稽古が足りません!正客が道具の拝見をしているのを見ていると、うっかりして水次のタイミングを逃してしまい、先生から声をかけていただきました。

 正客になると亭主や半東の所作を見ることができるので、とても楽しいです。また、お菓子も楽しみで、ピンクの花型で「梅の花」だそうです。甘くとても美味しくいただきました。そしてフワーとした口当たりの柔らかなお茶をいただき、お菓子の甘さを流し込むようにお茶を頂きました。その時お茶の分量の話をしていたので、気にかけていただいたのかいつもより少し濃くてとても美味しく感じました。

 後半は皆でもう一碗ずつお茶を点てました。それぞれがスムーズに点てることができ、和気あいあいとした楽しいお稽古でした。こんな稽古もあと2回、次回は総まとめの稽古です。最終日には許状授与式がありますのでとてもたのしみです。この茶道教室にとりましては最終日なのですが、茶道の稽古には新たな出発の日になるだろうと思いながらの18回の教室でした。


レッスン風景17

 今日教室に来ると、仲間の一人が和服をお召しになっていました。桃色のきれいな着物で、やはり茶道のユニフォームは和服かなと思いながら茶室に入りました。今回はいよいよ濃茶の体験です、御茶一服とは濃茶を指すと聞いていましたので期待がいっそう高まり、気が引き締まる思いで稽古に臨みました。
 皆さん濃茶は初めてで、先生に手取り足取りで教えていただきました。最初に茶巾のたたみ方を教えていただき準備しました。

 順番に席入りし、正客として定座に座り扇子を自分の後ろに置きました。お菓子は縁高に一つ入っており、縁高の扱い、次客へ渡し方、黒文字について、そして縁高の拝見などを所作ごとに教えていただきました。田邊先生の濃茶のお点前を拝見しながらお菓子を頂きました。そして、西山先生に運んでいただいた濃茶を頂きました。初めての所作でしたが、教えていただきながら進めました。一口頂くと亭主からお服加減のお尋ねがありましたので「結構なお点前でございます」と答え、さらに二口頂き、茶巾でお茶碗の口を清めました。この清めも薄茶点前の指でするのと異なり、最初に作った茶巾で拭きました。そして、茶碗は手渡しで次客に渡しました。

 次客が一口飲まれてすぐにお茶銘、お詰、お菓子の御銘、お菓子のおつくりを尋ねました。が、残念ながらお聞きしたお答えも今となっては飛んでしまいました。そして末客が茶を啜い切りましたので、茶碗と古帛紗の拝見を乞い、拝見しました。更に、亭主に茶入、茶杓、仕覆の拝見を請い、亭主からお作りやご銘などをお教えいただき、主客総礼で濃茶点前は終わりました。

 濃茶はニュースなどで見たことはある程度でしたが、その所作は薄茶点前とは異なっており、客の所作を通じてお茶に真剣に向き合い、期待や緊張が相まってとても気持ちの良い稽古でした。いつか自分で濃茶を練って、お客様に飲んでいただくことがとても楽しみになりました。

 後半は薄茶点前で平花月を行いました。平花月もまだまだですが隣の仲間からアドバイスがあったり、所作を真似したりで、徐々に進んでいきました。一番の問題は今日も足の運びでなのすが、若干混乱していてもすこしずつなれてくるような気持ちになりました。平花月がリズムに乗りてきぱきとできるようになると、お点前も身についてきた感じになるような気がします。

 この茶道教室も残り3回となり、次のステップのお話も先生から頂きました。こんな気持ちの入った第17回の稽古でした。


レッスン風景16

 私は棚のある風炉や釜の風景は落ち着いた静寂を感じるので好きです。今日のお花は椿と雪柳でした。この雪柳は晩秋のころ紅葉になった葉が活けられているのを拝見しましたが、今は白い小さな花が春を告げ、同じ花でも秋から春への季節の移り変わりを見せています。

 さあ!平花月の稽古の開始です。5人に絞り稽古が始まりました。私はじゃんけんに負けたのでまず見学です!皆さんと一緒に稽古するのが楽しいのですが、仲間の所作を細かく見ることや、更には先生から所作について細かな説明を聞くことができました。一歩目の足の出し方や、方向転換の時の足の運びなどの説明を聞き、いつもと違った稽古をしたようでした。皆さんの仮座への進み方や、退き方を見ると混乱している様でした。

 2回目は干菓子を頂き、帛紗を腰につけてスタートです。引いた札は三だったので最後に席入りしました。先週の稽古と1回目の見学で平花月の進み方は少しわかるようになりました。2番目に花を引き亭主としてお茶を点てたときは、勢いが出てしまい泡が多く少し熱めでしたので、美味しく飲まれたかちょっと心配でした。平花月では札を引いて役が決まれば、お点前は習ったようにするのですが、足の運び、つまり立った時は進むのか、退くのか、どちらの足から出るのか?などわからない時があります、席替えなども畳の右側を歩くのか、左側なのか、とっさでは混乱してしまいます。自分の理解力とその時の素早い判断が早く身につけばよいと思いますし、稽古をしっかりすることかなと思います。

 2回目の平花月では月の札を引いた人と札を交換していただきお茶をいただくことができました。やはり美味しいお茶をいただくと、ファー!と心満ち足りた気持ちになります。同じように私の点てたお茶を飲んだ人がいい気持ちになるのは何て素敵な事なのでしょうか。

 今日の稽古は見学も含めいろいろためになり、前週より落ち着いて稽古することができました。今日で平花月も終わりです、十分に平花月が身についたとは言えないですが、少しずつ稽古が楽しくなっておりますので、稽古を重ねることがいいのかなとも思っています。来週は濃茶の体験です。たびたびテレビで紹介される茶会などで、振舞われる濃茶ですので体験できるのが楽しみです。稽古もあと4回まで来ました。


レッスン風景15

 今日は初めて平花月の稽古をしました。お花は春を待つかのような紅梅と岩絞という椿のつぼみでした。稽古の挨拶後水屋に集まり帛紗を腰につけて、平花月の稽古の始まりです。お菓子は梅香という三層になっているお菓子でしたが、今日は先にいただきました。いったい何が始まるのかと戸惑っていると、先生から、花月は五人で札を取り、その札の種類によりそれぞれ役割を振り付けていき、お茶を点てたり、頂いたりするのだと説明頂きました。札は折据という折り紙のような入れ物に入っていて、花、月、一、二、三の五種類です。花は桜でしょうか、月は三日月の絵が描いてあります。表は松の枝の絵です。花は亭主でお茶を点て、月はお茶をいただき、数字の札はやり取りを注意深く見ます。札を引きお茶を点て、お茶を頂く、これを四回繰り返します。

 1回目の札引きで、それぞれが引いた札に書いてあることを順番に声を出して皆に知らせ、月を引いた正客から席入りをしました。この平花月のポイントは札の取り決めと足の運び、畳の歩く位置、足、特につま先の揃え方など基本的な所作とのことでした。先生から手本も交え丁寧に教えていただきました。
 私は1回目から3回目までは数字札だったため、皆さんの所作を良く見ていたのですが、四回目に花を引き亭主になり、お茶を点て、仕舞をしました。アッと思ったら本仕舞いをするところ、中仕舞いをしてしまいました。ム~!
 2回目は干菓子を頂き、同じ様に札を引きスタートしました。私は2回続けて月の札を引き、正客でお茶を頂きました。連続でお茶をいただきラッキーでしたが、心の余裕は全くありませんでした。皆さん笑顔で平花月を楽しんでいるようですが、気持ちは私と同じではないかと邪推します。気が付くと時間もアッという間に過ぎました。
 花月はお茶の所作が身についていれば、スピード感のあるお点前でとても楽しいものではないかと思います。早く楽しい平花月の稽古ができる様になればいいなと思う第15回の稽古でした。この茶道教室も残すところあと5回です!


レッスン風景14

 この頃は薄茶点前の茶碗や建水の仕組みも間違わずにできるようになってきました。皆さんが揃う前についたので、先生からお花は満作とこうてい椿と教えていただきました。いつもは稽古着で稽古していますが、今日は着物と袴で稽古に参加しました。これらは父親のお古で、茶道のドレスコードの範囲か、または着付けがおかしくないかの確認をしていただくためにも丁度良い機会でした。

 お稽古を小間でするか広間でするか選ばせていただけたので、広間でのご指導をお願いしました。
 私はまず正客をしました。今日のお菓子は”雪間の草”という銘の饅頭で、餡が薄緑でした。この餡の色が春を告げているようだなと思いながら、お茶を美味しくいただきました。道具の拝見が終わると道具の返す所作を教えていただきました。ちょっとしたことでも確認しながら稽古していくことはとても楽しいです。

 亭主としてお茶を点てる際、着物と袴が問題でした。始めて袴を着けて、立ったり座ったりするので注意をしましたが、袴は古い物なので、立ち方が悪いと裾を踏んでどこかビリッと切れる音がします。先生から、かかとを立てるとき体の重心が少し後ろにあるために裾を踏んでしまうので、もう少し重心を前のほうにしたほうが良いとアドバイス頂きました。そして、ゆっくりと体の重心を前に移動し、注意をしながらかかとを立て、そして膝を立て、立ちました。お点前は相変わらずぎこちなく、あちこちに余計な力が入ってしまいました。
 今日は時間が余るくらいでしたので、徐々にですが私たち手際よくお茶を点てられるようになったのだとおもいました。着物でのお点前や広間での所作に戸惑うことの多かった第14回でした。


レッスン風景13

 今日のお花はサンシュユと有楽椿と教えていただきました。有楽椿の名前は千利休の七哲の一人である有楽斎から来ているとのことで、ちょっと赤みのさした花びらが顔を出したつぼみで、咲くまでもうひと頑張りです。先週まで2回更好棚でしたので、今週は丸卓を用いた稽古をしました。きっと所作の何かが違うと思ったのですが、水次で水指に水をつぐ時に前者は水指を棚から出すのに対し、丸卓は水指を棚に置いたままでした。棚には柱が二本、三本、四本そして板をはめたものなどがあり、それぞれ所作に違いがあるとのことです。

 お菓子は四角く斜めに線が書いてあり、升という銘だそうです。節分の豆まきの升かなと思いながら、薄茶点前 棚稽古を始めました。
 一礼するときの茶碗を置く場所がはっきり分かりませんでしたが、茶道口に座った時正客から見えるほうの位置に置くということがわかりました。この教室では茶道口に座ると正客は向かって右側に座っていらっしゃいますので、茶碗を左側に置き一礼しました。先週の茶室では左側に正客がいらっしゃいますので、茶碗は右に置きました。やっと理解できたような気がしました。

 お点前の手順はわかるようになってきたのですが、足の運び方、言い換えると歩き方が雑とのことで、足をあまり高く上げず、もう少しすり足のように運ぶといいとアドバイス頂きました。稽古中にうまく行きませんでしたので、また帰って復習です。今日泡は細かく点てることができました。水指は二手で開けたり、閉めたりしますが、これを気にしますと茶碗を取るにも、二手?三手?とちょっと悩みます。毎回それぞれ新しいことを覚えていくのでお茶を点てることの面白さや興味が深くなることを感じていきます。こんな13回目の稽古でした。


レッスン風景12

 棚は更好棚、水指は朝鮮唐津だそうで、白い肌に青い釉薬の祥瑞と趣が異なりこげ茶色の釉薬のグラデーションが素敵でした。花は鶯神楽と曙椿、寒い毎日ですがここだけ早い春を感じましました。水屋で道具を準備して稽古のスタートです。

 今週は私が一番手の亭主役をしました。稽古始まりの挨拶から、お菓子(下萌とという銘の新芽のようなお菓子です)を運び、一礼をして茶室に入り点前座に座りました。風炉の脇に西山先生が、水屋や次客の近くに田邊先生がいらっしゃり細かな指導をしていただきます。薄茶点前の手順は覚えているのですが細かな点に注意が届かず、先生方から『茶碗を運ぶとき左手の親指が立っている』とか『建水を運ぶときの手の位置がもう少し低く』など自分では気が付かない点を指摘して頂きました。あまり緊張はしていないつもりですが、集中して一所懸命に茶を点てないと、次の所作が出てこなかったり飛ばしたりしてしまいます。例えば建水を進めることや、茶碗を少し手前に引く所作などを飛ばすことがあります。特に先生に話しかけられ、返答するとつい次の所作がどこかへ行ってしまいます。私の茶道の目標である”無心でお茶を立てられるようになる”など何年かかるか分かりません。


レッスン風景11

 今日はこの茶道教室の初釜です。そして、丁度折り返しの11回目で晴れがましい気持ちで参加しました。
 新たに棚の稽古が始まります。床の軸は初釜のすがすがしさを物語っているようでつぼみの西王母と今にも開花しそうな蝋梅が早い春を告げていました。

 棚を見るのも初めてなのですが、本日の棚は更好棚というそうで、黒塗りで小口が朱塗り(爪紅と言うらしい)で凛とした感じが伝わってきました。ボタンと鳥の描いてある祥瑞水指が取り合わされ、棗は松の柄でめでたさを感じました。

 今日のお菓子は「花びら餅」いうお菓子でした。このお菓子はお正月のテレビ番組で紹介されていて、求肥で餡とごぼうを挟んであり、初釜の時にだけ作られるそうです。諸説ありますが、ごぼうは平安時代、宮中で行われた正月行事の「歯固めの儀」に由来し、花びら餅は宮廷文化と茶道の交流から生まれたものだそうで長い歴史を学んでいる様でした。頂いたお茶は泡が細かく黄緑に盛り上がり、お茶の香もたって美味しくいただきました。
 棚のお点前では、棗と水指は棚に据えてありますので茶碗だけをもって入ります。基本的には運び薄茶と同じ所作なのですが棗や茶碗の置き合わせなど細かな点はその都度先生よりご指示を頂きました。できるだけ自信をもってすすめながらも、「お茶が熱くないだろうか?」「口当たりはいいか」など考えてしまいます。美味しいお茶を差し上げたいと思っても、気持ちばかりが空回りをします。

 最後は柄杓蓋置を棚に荘ります。道具の拝見が終わると道具をさげ、水次を持ち出し水指に水をつぎます。水次はやかんのような形で注ぎ口に蓋が付いておりその蓋を茶巾で開けたり、閉めたりしますが、普段はしないような丁寧な所作でした。
 棚は60種類以上あるそうで、扱いが異なるので注意が必要の事でした。お正月気分も飛んでいきそうな真剣な11回目の稽古でした。


レッスン風景10

 今日は10回目、年内最後の稽古日で、カリキュラムも運び薄茶点前の稽古の最終日です。いつものように茶室に入るとなんと軸は「聖夜」で数日後に迫ったクリスマスの趣向でした。花も花釘に花瓶が掛けてあり赤いベルのようなアブチロンと白い花のクリスマスローズで季節感のあるしつらえでしたが、お茶とクリスマスという取り合わせに私はちょっと混乱してしまいました。

 水屋でお道具を準備し茶道口の脇に入る順に揃えました。この頃では正座も比較的長い時間続けられるようになりました。お辞儀は腰を伸ばして体を曲げます。手順も覚えてきましたが、私の所作はぎこちないものになっている様で、先生からは流れるように次へ移行するようにとアドバイスを頂きまました。武骨な私には流れるような所作は難しいと思いましたが、何事も練習かなと思いアドバイスを覚えていきます。そのためにはまずは割り稽古をできるだけ細部まで覚え、盆略点前や運び薄茶稽古は運び所作の順番をスムーズにできるようにしていきます。そのためにも先生のアドバイスをできるだけ細かなところまで身に着けていかなければいけないと覚悟のような気持ちになりました。

 お菓子は「試餅」と言い、初釜に頂くお菓子の準備のようなお菓子ということで”試み”と名付けられているそうです。餡にきな粉餅が被せてある、柔らかくとてもおいしいお菓子でした。ただ、懐紙の上できな粉が飛ばないように頂き、さらに懐にしまうのに往生しました。しかし、お点前の進み具合を確認しながら頂きましたので、以前のようにお茶を頂くのに遅れるということはありませんでした。稽古はいろいろな状況に慌てず、冷静に対処しなければならないと、お菓子を頂きながら感じました。(ちょっと言い過ぎかな!)もちろんお茶は美味しくいただきました。

 もうすぐお正月で、お稽古が2週間ありません。この間に復習します。新年は棚点前に移りますが、いろいろな思いが入り混じった10回目の教室が終わりました。来年もよろしくお願いいたします!


レッスン風景9

 今日は3回目の運び薄茶点前を拝見含め通しで稽古します。この頃は茶花が気になり毎回先生に尋ねています。今日のお花は初嵐と蝋梅だそうです。初嵐は古くからある椿の品種で、早くから咲くため炉開きにも用いられるそうです。茶道は多方面の知識が必要だと心引き締めながらの稽古開始です。
 今日は3人ずつのグループで稽古しますが、正客と次客に2碗を点てることになりました。最初、私は亭主役だったため、水屋でお菓子、水指、そして茶巾、茶筅、茶杓を仕組んだ茶碗、さらに蓋置、柄杓を仕組んだ建水を揃えました。

 先生への挨拶から稽古が始まり、茶道口での主客総礼した後、順に点前を進めていきますが、先生に一挙手一投足にわたりチェックをしていただき、その都度修正しました。「注意は他の2人の生徒へのアドバイスの意味もある」と先生はおっしゃいます。時間はかかりましたが、例えば棗と茶碗を持つ高さとか、柄杓の扱いや構えるときの手の位置や手のひらの向きなど、正しくきれいな所作が身につくように教えていただきました。アドバイスはその場で覚えなければならず、私は一度にたくさんの事を覚えられないので大変です。

 お茶を点てていると、釜のお湯の湧く音が「シーン」とか「シューン」と表現は難しいのですが聞こえます。釜の蓋を取るとそれまでの籠ったような音から少し軽いような音に代わり、お湯を汲むとき柄杓を釜の中に入れるとそれまでの音がぴたっと静かになり、水一杓さした時もスーと響きがなだらかになります。もちろん静かな茶室での事だからとも思えますがこの釜の音がいろいろに変化することも、お茶の楽しみの一つになりました。また、仲間がお茶を点てているのを見ていると茶筅の振りと同時にお茶のすがすがしい香りがふわーと茶室の中に広がって来ます。ところが残念ですが私が点てている時には気が付かなかった香りです。ちょっと不思議な感じで、お茶を美味しく頂きました。稽古のたびに何かしら新しいことが感じられ興味をそそられます。
 今日で運び薄茶点前の稽古は終わりですが、まだスムーズにすることは難しいと反省しています。楽しかったり、まごついたりの稽古ですがアドバイス頂いた点を再度確認して、確実にお茶を点てたいと思いながらの第9回の稽古でした。


レッスン風景8

 今日は2回目の運び薄茶点前をします。全体でもう8回目のお稽古になりました。今日の茶室のお花は朴半と白山吹でした。朴半は椿の一種だそうですが由来は茶人の名前だとかで茶道の奥深さを花からも感じながらの稽古開始です。釜は2つの部屋にそれぞれ用意して頂いていますが、釜と風炉の拝見をしたのち水屋で道具の準備をしました。皆さん先生の指示がなくても自然と準備に取り掛かるようになりました。受講生で2人ずつグループを組み、稽古を始めました。

 先週に棗、茶杓の拝見の所作を稽古しましたので、今日は稽古初めのあいさつから、仕舞の主客総礼まで通してお稽古しました。お道具は茶道口のふすまの後ろに持って入る順番に揃えました。水指、次に棗と茶巾、茶筅、茶杓を仕組んだ茶碗、そして蓋置、柄杓を仕組んだ建水です。
 私は正客役で稽古が始まりました。亭主役の方は上手にお点前を進めて、先生も、より細かな点を指摘しています。勧められたお菓子を今日はタイミングよくいただくことができました。今日のお菓子の銘は「玉椿」。椿の花を模したとてもきれいなお菓子でした。亭主の点てた薄茶はとてもよく点てられており、今週も美味しくいただきました。棗、茶杓を拝見させていただき、定座に戻し、銘や作者などをお聞きしました。

 私が亭主として薄茶を点てるときは姿勢や振る舞いに注意をしました。肝心の点てた薄茶は少し熱いのではないかと思いましたが、正客からはちょうどよかったと後で聞き、ほっとしました。お道具の拝見の所望では戸惑いながらも道具をそろえ、お尋ねにもこたえることができました。お茶を点てている途中に何度か柄杓の扱いに注意を頂きましたので、運び点前が終わった後、柄杓の扱いの稽古をしていただきました。手の運び、特に指の所作について、指先の伸ばし形や、柄の摘まむ方向、手のひらの向きなど指摘していただきました。
 お稽古は一歩進むとさらに細かく注意すべき点があり、前回稽古したことを覚えるとさらに次があるといった様子で、所作をひとつずつ正しく身に着けなければ次が理解できないような思いでした。ですから稽古した事を確実に身につけ、次の稽古に臨むことが大切で、長い間忘れていたような心構えがまた湧いて出てきました。
 もう8回目の稽古か!まだ8回目の稽古か!たった8回?いろいろな思いがよぎりますが、稽古していることがだんだん楽しくなってきている第8回目の稽古でした。


レッスン風景7

 今日は第7回目の教室で、自作の稽古着を用意して稽古に参加しました。運び薄茶点前で拝見の稽古をするとのことです。いつもと同じように茶室に入り軸と花を拝見しました。花は白侘助と土佐水木が活けてあり、たった2種でありながら存在感がありました。皆さんそろっての挨拶の後、早速、2人ずつのグループに分かれ稽古が始まりました。

 運び薄茶点前は、先週に稽古した中仕舞いまでと更に棗、茶杓の拝見が加わります。水屋で茶碗と建水を準備し、生徒2人が亭主役と正客役になり最初私は主客で亭主の点前を見ながらお菓子を頂きました。今日のお菓子は「木枯らし」という銘で、枯葉に包まれているような姿で微かなゆずの香りに晩秋を感じました。仲間の点てた薄茶は泡も細かく、服かげんも良く、美味しくいただきました。

 棗と茶筅の拝見では正客として「棗の形」「塗」「作者」など聞き、茶杓についても「作者」「銘」を尋ねましたが、どういった質問をするのかは先生に教えていただきました。拝見の所作もその都度丁重に教えていただき、そして茶道では道具に敬意を払っていることや歴史的にも貴重なお道具に接する機会もあるのでしっかりと覚えておかないといけないとのことでした。

 亭主役では点前が少しずつ慣れていくのを感じましたが、先生からはもっと男らしく、大胆に点てることなどアドバイスがありました。普段の私とは異なりまじめに、真摯に点前する事を心掛けていますが、ぎこちないものになっていたようです。正客より棗、茶杓の拝見の要望を受けて棗を帛紗にて清め、畳の縁外定座に出し、さらに茶杓を棗の横に出しました。お尋ねに対しても先生に教えていただきながら返答し、ぎこちない亭主でした。
 点てたお茶は加減がよくわからず、温度や分量などどのくらいがよいのか満足できません。夢中で稽古をしていますが、お客様に美味しく飲んでいただけるよう心掛けている段階です。
 今までの稽古では持ち物を懐にしまうことができず不便だったので、稽古着を用意しました。長着の袖と襟下を切り離し、簡易帯で締めるようにしましたが、長着を着ているような懐ができ、懐紙や帛紗を入れるのに都合よくなりました。懐のお道具を気にすることがなく稽古に集中できるようになり、ちょっと気持ちの良い第7回の稽古でした。


レッスン風景6

 今日はどんな稽古をするのか楽しみになってきた第6回目の教室です。教えていただいた通り席入りをしました。いつも軸や花に目を取られるのですが、今日は石蕗と錦木が活けてあり、初冬の風情を醸し出していました。
 薄茶点前は、今までした割稽古の、棗、茶碗、水指、柄杓などの扱いを順序立てて行い、薄茶を点てます。前回と同じように4人ずつグループに分かれ、1人ずつ役割を決め稽古しました。

 稽古の中心は亭主役として薄茶を点てることですが、先生から細かくアドバイスをいただき他の3人の点前を見学し、アドバイスも心して聞き洩らさないようにしました。そして正客、半東、次客の役割をそれぞれ教えていただきました。先生はレベルに沿って更に良くなる様に、より細かなアドバイスをしてくださいます。ただ私にとって厳しい点は、稽古の途中でメモをとったり、写真を映すことができず、その都度覚えておかなければならないことです。ですから家に帰った後、その日のうちに稽古したことを思い出して復習がすることが大切で、しなければとても覚えてはいられません。例えば先週は置き柄杓の稽古で親指が良く動かなかったのですが、「少し柄杓の柄を少し左へ動かすようにして親指を右に引くと、うまく柄の下を通るようになる」との先生のアドバイスで何回か練習しましたので今日は全く問題なく右側に通るようになりました。
 

 正客役は3番目に回ってきました、今日のお菓子は「いちょう」という銘でしたが、本当の銀杏の葉の様でした。先生のお話を聞くのに夢中で食べるのが遅くなり、お茶をいただくタイミングがずれてしまったのが残念でした。
 亭主役の時は水指の持ち方から、茶道口での一礼、歩く時の視線、どこに置くか、最後に一礼をして下がるところまで一挙手一頭足にわたり丁寧に見ていただきました。例えば茶筅と茶巾、茶杓を仕組んだ茶碗を左手に持ち、右手は棗を持って水指の正面に進みますが、茶碗の持ち方、棗の位置など、一つ一つ、次にはできるよう覚えておきます。指摘いただくごとに少しずつスムースな点前になって行くような気がしますのでますます楽しくなります。反省と覚えることの多い第6回の稽古でした。


レッスン風景5

 今日少し早めに到着し、支度をして、席入りの心得を忘れず茶室に入りました。軸と花、風炉と釜を拝見し、先生に今日の花などをお聞きしているうちに、皆さんがそろわれ挨拶にうつりました。毎回の事なのですが少し時間より早く始まります。今日の花は野小菊と小手毬。生徒の一人から小手毬は白く小さな花が咲くと聞きましたが、活けられている小手毬は葉で、少し紅葉していました。

 今日は「柄杓の扱い」と「薄茶点前」の稽古をしました。柄杓は釜から湯を汲むときや、水指から水を汲むときに使いますが、各部分には「合」、「柄」、「月形」、「切止」といった呼び名があるそうです。そして、ちょっと驚いたのですが、柄杓の持ち方や用い方にそれぞれ所作があり、柄杓の扱いの「鏡柄杓」、「置き柄杓」、「切り柄杓」、「引き柄杓」をそれぞれ稽古しました。指の使い方、動かし方などすぐにはできません、頭では解っているようでも指が動きませんでした。

 例えば「置き柄杓」の扱いでは、合の部分を釜に乗せ、そのまま親指を柄の下をくぐらせ右側にだして、柄を上下から摘むのですが、この親指を柄の下をくぐらせるのがうまくできませんでした。何度やっても柄杓が手から落ちそうになり、先生に手ほどきいただきやっとできる様になりました。

 ちょっとしたコツを飲み込めばできるようになるのですが、一事が万事同じような混乱がありました。所作の意味合いをよく理解すれば様々な習得がスムーズになるとの事ですが私には少し時間がかかるようで…。

 このような柄杓の扱いの状況まま、運び薄茶の点前に移りました。先週稽古した「盆略点前」と共通の部分もあるのですが、まず水指を持って席に入り、次に棗と茶碗、そして建水と柄杓を持って入ります。それぞれ置く位置などをご指示いただき覚えます。ここで先程稽古した柄杓の扱いを実践するのですが、ここは「置き柄杓」と教えていただいた時も、置き柄杓を思い出せても親指が柄をくぐりません。やっとのことで親指と人差し指で柄をつまみ柄杓を置くことができました。この様に先生に一つ一つ説明していただき、お茶を点てることができました。主客役に差し上げ、おしまいに道具を持って水屋に下がり茶道口で一礼すると、ちょっとホッとしました。

 今日は使った道具を自分で片付け、暗中模索な第5回の稽古が終わりました。


レッスン風景4

 本日11月8日は2週間ぶりで、ちょっと待ち遠しい気持ちになった4回目の稽古の日です。
 11月1日は「炉開き」という茶道のお祝の日です。「炉開き」は茶人の正月とも言われる日で、いままで使用した風炉から炉を開き新しい季節を迎える節目の日だそうです。今日も部屋に入るときは席入りの心得で入ります。練習と言えば練習ですが、できるだけ稽古したことを実践しながら振る舞うことを心掛けました。
 床の掛物に一礼し、掛物を拝見し、花、花入れを拝見しました。今日の花は西王母と小菊です。西王母は炉開きの頃から咲き始めるそうで椿のような花でした。花言葉は「夢がかなう」とのことで早くお点前が上手になるという夢が叶えばいいなと思いました。

 今日は盆略点前を通しで稽古をしました。4人ずつ二つのグループに分かれ、それぞれ亭主、主客、お菓子を出す人に分かれ、順番に稽古しました。1回目私は仲間が点前するのを見ていました。”人の振り見てわがふり直せ”ではありませんが、それぞれの生徒さんの点前も見させていただき、自身の参考にさせていただいています。皆さん割稽古をしていますので各所作を繋げればと思うのですが、それぞれ確認しながらのお点前でした。

 私が亭主として薄茶を点てた時にも、自分で茶巾、茶筅、茶杓を仕組んだ茶碗と棗を丸盆の上に乗せて茶席に入りました。盆を風炉の前に置くまでの間でさえ、礼、盆の持ち方、足の運び、盆を置く位置、体や膝の位置や向き、建水の持ち方などたくさん気をつけるべきところがあり、先生に細かくチェックしていただきました。さらにお茶を点て、そして盆を持って帰り、茶道口から一礼して出るところまでも同じように細かくご指導いただきました。

 緊張の連続でしたが、特に心配だったのは点てたお茶の服加減がどうだったかです。他の皆さんも同じようなお気持ちだったのではないかと思いました。お点前の一連の流れを思い返しても次から次と不安なことが出てきますが、今日の指摘いただいたことをしっかり復習して身に付けたいと思いました。

 主客としての役割でも気を抜くことはありませんでしたが、「秋の山」という銘の、おいしいお菓子と薄茶をいただくと、ふぅ~と暖かい心持ちになりました。あっという間の4回目の稽古でした。


レッスン風景3

 今日は足取りも少し軽くなった3回目の茶道教室です。練習した立ち振る舞いを確認しながら軸、お花を拝見し席入りをしました。お花は清楚に「通い筒」花入れにホトトギス、秋明菊などが活けられていました。そして先生に向かい一列に並んで真のおじぎで挨拶です。さあ、稽古です。

 盆略点前は割稽古を習得した人が、実際に茶を点てるときこの点前手続きから習得するのが最も適当とされているそうです。ちょっとわくわくした気持ちになりました。準備していただいたお盆にはお茶碗に茶巾、茶筅、茶杓、そして棗が配置されていました。先生からは「前回の復習を兼ねて自分自身で始めて」と言われましたが、懐中の帛紗を取り出しこれを捌いて腰に付ける所作が上手くいかず先生のアドバイスをいただきながらでした。帛紗を捌き、棗を清め、茶杓を清めましたが、所作に気を取られ手と心が一緒になりません。そして、茶筅通しをして、茶巾の扱い方を教えていただき、茶碗を清めました。私は茶巾が裏返ってしまい何度もやり直してやっと清めの所作ができるようになりました。他の生徒の皆さんは何の問題もなくスムースに所作をしているように見え、今日の私はちょっとナーバスになったのかと思えた稽古でした。

 次はお茶を点てました。隣の方と交互に点てるのですが、最初私は客になりました。仲間がお茶を点てる所作を見ながら、お菓子「秋の実り」をいただきました。点てていただいた薄茶は薄黄緑の細かな泡がお茶碗に一面に覆われとてもきれいで、一口いただくとフワーとお茶の淡い香りが口の中に広がりました。お茶を感謝とともにおいしくいただき、お礼を言った後、茶碗を拝見しました。先生の様に流れるような所作とは程遠く、自分の所作の不手際を恥じるばかりでした。

 私がお茶を点てる番です、家で練習もして、緊張はしなかったと思うのですが、お菓子を勧めるタイミングはずれるし、お茶の泡も不揃いできれいに点てることができず、反省ばかりの状態でした。他の生徒さんたちの真剣な顔を見ると、私も更に練習をして少しでも心静かにお茶を点てられればと思う3回目の稽古でした。


レッスン風景2

 今日は 10月18日(木)、2回目の茶道教室です。前回と同じ茶室「心田庵」で開催されました。少し落ち着いて2回目を迎えることができ、初回に教えていただいた所作を思い出しながら席入りをしました。軸は「松無古今色」、お花は木槿、ネコノヒゲ、ホトトギス、うつぎ、藤袴、水引草がきれいに活けられており、小さな花に秋を感じました。それぞれの席には今日の稽古に用いるお道具(茶碗、棗、茶巾、茶筅、茶杓)がお盆の中に準備されていました。

 稽古の開始です。今回は真・行・草のおじぎもの仕方をその場に沿った形でお教えいただき覚えていきます。自然に心のこもったおじぎができるようになりたいと思うようになりました。
 スタートは帛紗捌きです、所作を復習しましたが、よりきれいに、自然に捌けるよう心掛けました。そして、今回は棗と茶杓の清め方を教えていただきました。帛紗捌きから清め方までどうしても力が入りすぎて、きれいな所作には程遠いですが先生に細かくご指導いただきました。所作にはそれぞれ意味があるとのこと、一つずつ理解しながら稽古したいと思います。

 新たに茶筅通しの所作を説明いただき、さらに茶巾の扱い、そしてその茶巾を使って茶碗の清め方を教えていただきました。茶巾のたたみ方では、折り目を膨らませたまま(ふくだめ)にするのが難しく、先生の様になめらかにすることができませんでしたが、一人ずつ見ていただき、本日学んだ所作を通して復習しました。

 お茶を点てる体験です。「てりは」と言うお菓子をいただき、そして茶碗にお茶を入れました。手首が固く、先生の様にきれいに素早く点てることができません。茶筅を思いのほか長く振った様に感じましたが無事お茶を点てることができました。そして初めて自分で点てたお茶をいただくことができ、皆さんほっとしたような様子で笑顔でした。
 先生からは「これからは自分のためでなく、人のためにお茶を点てるのだから、そのような心持を大切にするように」とのお教えがありました。先生の心温まるお言葉で今日の稽古も終わりを迎えました。


レッスン風景1

 宝塚大学 東京キャンパス内にある茶室「心田庵」で、半年間、全20回の「初心者のための茶道教室」が開講しました。受講生8人は時間になると緊張した面持ちで集まり、座る場所も心得がありませんでしたが、先生方のご指図でまず着席しました。開講式では石塚幹事長のご挨拶、そして西山主任講師から先生方をご紹介いただきました。

 その場で真・行・草のお辞儀の仕方を丁寧に説明していただきました。部屋の温度が高かったため、障子を開けたことをきっかけに、襖の開け方、閉め方のご説明、お部屋の確認、そして入り方。立居振舞いや軸の拝見、お花の拝見そして席につくまでの一連の流れをお教えいただきました。

 軸は「松無古今色」。私達受講生が、今日の緊張した思いを変わらずに持ち続けることを願い、掛けていただいたのではないかと思えました。

 準備してきた、懐中物などの確認と説明の後、帛紗捌きを教えていただきました。受講生皆初めての所作で戸惑いましたが、先生方の所作を真似、一生懸命に身に付けるように取り組みました。途中、先生が気を使ってくださり、立ちあがっての教授もありましたが、ほとんど正座してお話を聞くことができました。

 先生の、ピーンと張りつめたお点前とお茶のいただき方のご説明に、今日一番の緊張と心の集中が体の中に湧いてきました。そして、初めてお茶を点てる体験をし、おいしい栗薄皮饅頭と薄茶をいただきました。
 長く、あっという間の初日の稽古が糸を引く様に終了しました。

 受講生の自己紹介では各自の名前と受講のきっかけなどが話されました。皆さん家族の勧めやお茶会のお手伝いの機会がある等の理由で受講を決めたとのことでした。茶道の敷居が高いという先入観も、ほんのわずかな時間で、それは杞憂であることがわかり、楽しく充実した時間を過ごすことができました。


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