レッスン風景

からすま京都ホテル教室


レッスン風景6

 半年間のお稽古を経て、この三月は修了の日の"お茶会"に向けてのお稽古です。亭主側と客側に分かれての二席…。亭主側にはお点前さん・半東さん・水屋・お運びさんのお役があり、そして客側にもお正客やその席ごとに役割りがあります。

 「山是山水是水」「日々是好日」先生がその日その日のお稽古を思いご用意してくださったお軸の言葉に励まされ、皆がそれぞれの大切なお役を精一杯に努めようと、お茶会に向けて没頭しました。

 これまで何も知らない初心者の私たち一人ひとりに、手取り足取り一所懸命に教えてくださった先生がた。速さや効率が重視される現代社会の中で、先生は一瞬の季節も大切にみつめ、毎回のお稽古にお心をこめた設えで私たちを迎えてくださり、日本の繊細で美しい文化に改めて気付かせてくださいました。

- 許 状 授 与 式   お 茶 会 -

 三月十六日修了の日、最初は許状の授与式です。開講式の日のように、幹事長様、副幹事長様、そして前幹事長様、前々幹事長様が御多用の中を私たちのために駆け付けてくださり、一同感謝でいっぱいです。

 お軸は千利休居士の辞世の句、その前には正式に三具足をご用意してくださり、その前で幹事長様から一人ひとりに許状を授与していただきました。

 そしていよいよ修了のお茶会です。先生がたが私たちのために、このようなお目出度いお席をご用意くださり本当に有り難く思います。幹事長先生方もお席にお入りくださり、少し緊張気味の私たちをニコニコと暖かい眼差しと和やかな会話で、見守り励ましてくださいました。

 全て終了の後、皆で記念写真を撮りました。そして先生がたへ小さなブーケと寄せ書きの色紙をお渡しし、大変喜んでいただいて私たちも感激しました。

 この半年間の「初心者のための茶道教室」は、先生がたの惜しみない心尽くしの御指導のお陰で、この日晴れて"卒業"させていただきましたが、私たちは未だこの素晴らしい日本の文化の入り口に立ったばかり。先生がたの笑顔とお言葉を一期一会の宝物として、この半年間の経験と感謝を忘れず、これからも日々学んで行きたいと思います。

 松本先生、藤井先生、水島先生、私たち一同大変お世話になり、本当にありがとうございました。


レッスン風景5

 二月は節分そして立春を迎え、お花にもお菓子にも嬉しい春を感じます。今月は、まず棚を使ってのお点前(数ある棚の中から更好棚と丸卓)を体験させていただきました。

 これまで盆略点前から平点前、そこに拝見の問答を体験、そして棚…と、奥深い茶道の世界を走馬燈のように体験させていただいています。

 「結果を思い悩まずに、まずは行動しなさい、ありのままで…物事はなるようになるんだよ」と、毎回 お軸の言葉に暖かく励まされ、日常を切り替えてお稽古に臨みます。(だけど…本当はこちらが日常になりたいものです!)

 そして次のお稽古は花月の体験です。これは皆と呼吸を合わせる修練だそうです。

 お軸は「端的底看聻」正確にしっかりと看よ、ギリギリのところを見極めよ…手に取った札によって、一人一人の役割も動きも違います。

 自分のことだけで精一杯なのが正直なところですが、周りをみて、皆と気持ちを合わせるように…そんな私たちの修練のために、先生がたは折り据えの持ち方、札の取り方、そして足の運びの一歩一歩にまで手取り足取りご指導をしてくださいました。逐一、先生に教えていただかないとわからないことだらけの花月体験でしたが、とても楽しかった思いが心に残りました。


レッスン風景4

 今年最初のお稽古は、美しく澄みきった緊張感の中での初釜…人生初のお濃茶を皆でいただきました。先生がお濃茶を練ってくださるお点前の、そのゆったりとした空気感に包まれて、その日のお稽古は、先生から「皆さんのお点前も、今日はとてもゆったりと、よいペースになっていますよ。」と言っていただきました。

 誰もがもつ、その人ならではの空気感は、目には見えないけれど、その場を包み込むような大きな力を持っているのですね。普段は気がつかない自分の所作の癖は、先生から細やかなご注意をいただいて初めて目からウロコ。「なるほど!!」と納得しています。障子を開け歩き出す「初めの一歩を落ち着いて、ゆっくりと…」そんな所作の一つ一つも、単に美しいからというだけではなく、その場のお客様が安心し落ち着かれるように、という静かな思いやり…お点前の手順を間違えないように、ということだけではない、人としての大切な"思いやり”が、茶道には静かに溢れているように感じます。もっと若い頃から、幼い頃から、この素晴らしい世界に身を置き、学び、染み込むように身につけたかったなぁ…と痛感し、今更ですが悔やまれます。

 いつも先生がたの様々なご準備のお陰で、私たちは次々と新しい世界をのぞかせていただいていますが、一月最後のお稽古は、寒い季節にだけ使われるという筒茶碗。初めて体験するこの筒茶碗でのお点前は、点てたお茶が暖かく冷えた体が芯から温まり、皆で驚きました。

 前の回からお道具の”拝見”も始まり、お茶杓の御名を自由に考えるのも楽しくて、控え室では皆で相談したりしています。花やお菓子の御名、季節感なども気になってきました。今日のお菓子は美しい「雪中梅」…お稽古の時間はいつも延長になりますが、終わった後にも、先生はいろいろなお話をしてくださいます。「梅には”花の兄”という異名があるんですよ。そして菊は”花の弟”…」などなど、そのようなお話を伺うたびに、心の中の宝物が一つずつ増えてゆくように感じて嬉しいです。来月からの「棚」のお稽古もがんばりたいと思います。


レッスン風景3

 12月、いよいよ柄杓を使ってのお稽古が始まりました。初日、幾つもの扱い方を教えて頂きながら皆で目をパチクリ…はてなマークのオンパレードです! 突如、柄杓という大きな壁が立ちはだかったように思えて「これは大変??」…けれど、先生方は一人一人に何度も何度も繰り返し丁寧に教えてくださいます。
 二ヶ所にご用意くださっている風炉でのお点前の順を待つ間、皆も柄杓と蓋置をもってエアーでお稽古を続けました(家でも、長い菜箸を持ってお稽古したり…皆 頑張っています)。まだまだ一つ一つの形や順番を覚えるだけで精一杯でぎこちなく、流れるような美しい所作には及びませんが、お稽古の全体から伝わってくるお茶の世界の優しさ、厳しさ、美しさ、暖かさ、人や物への思いやり…そんな全てに包まれるお稽古の時間をとても幸せに思います。

 毎回、掛物やお花そしてお菓子など、先生が一期一会のお心で私たちを迎えてくださる設えが嬉しいです。今年最後のお稽古日、今日はクリスマスの設えでした。掛物は『無事』…いろいろな人たちのおかげで、無事に過ごさせて頂いたこの一年の日々を思い起こし、『いろいろあった どんな日も、皆 良い日であった』…そして、『辛い日があったとしてもその後には必ず花の咲く日がくるんだよ』…『慌ただしい日々であっても、老いた松のように流れる雲のようにゆったりと、ありのままに自然体でいけばいいんだよ』…と、教えて頂いた言葉をこれからも大切にしたいです。

 それと、お稽古中にとんでもないハプニングを(私が)起こしてしまった時の、先生方の落ち着きと適切なご処置、そして『失敗したことは必ず上手になるから大丈夫や』と笑顔で励ましてくださったことを、きっと一生忘れないと思います。


レッスン風景2

 今月までは盆略点前のお稽古です。これまで、先生がたが点ててくださる美味し~いお茶をいただいていましたが、今回初めて自分で点てたお茶は、びっくりするくらいに薄っぺらい味でした。この味は、自分の薄っぺらさのような気がしました。

 先生は毎回、お花や花入れ、お軸の言葉の意味…などの様々なことをわかりやすく伝えてくださいます。今回のお軸は『山是山 水是水』…まさに今の自分の心におみくじの言葉をいただいた時のように深く沁み入り、今日はこのお軸の言葉に勇気づけられ、感動しました。

 最初のお稽古の日から、先生が「このお軸とは二度と会えへんかもしれん…」、「このお茶碗には二度と会えへんかもしれん…」とおっしゃるたびに、大切な一期一会の気持ちを思い起こし、真のお辞儀をします。一生懸命に学びに来ておられるクラスの皆さんや、「あのような人になりたいなぁ」と思える素敵な先生がたとの、たった20回のお稽古をとても大切に思っています。


開 講

 生まれて初めての茶道教室は、先生方の暖かで真剣なご指導により、受講者皆の『学びたい!真っ直ぐな気持ち』だけに集中することのできた、あっという間の2時間でした。

 先生方が極めてこられた長い長い道の入り口に立ったばかりの私たちに、初心者ゆえの足の痺れ…などにまで至るご配慮をいただき、余計な緊張は吹っ飛びました。

茶道にはあらゆる分野の大切な学びが凝縮されている、とは常から聞いておりましたが、今日教えていただいた"座る" "立つ"の動作に『腹筋を使う』こと、そして『茶道は表面は柔らかく、芯が一本通っている』から、なんと!『インナーマッスルまで鍛えられちゃう!』ことには心底驚きました。

 学びたい事、身につけたい事、茶道には夢がいっぱいつまっています。まさに『福寿海無量』この素晴らしいお軸で今日の開講式を迎えさせてくださいまして、本当にありがとうございました。


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