「お
姫
(
ひめ
)
さま、いま
行列
(
ぎょうれつ
)
の
先
(
さき
)
で
狐
(
きつね
)
を
一
(
いっ
)
ぴきつかまえました。」
お
供
(
とも
)
の
侍
(
さむらい
)
が
大
(
おお
)
きな
声
(
こえ
)
で
言
(
い
)
いました。
「お
殿
(
との
)
さまへのお
土産
(
みやげ
)
にもってまいりましょう。
良
(
よ
)
い
敷物
(
しきもの
)
になります。どうぞ、ごらん
下
(
くだ
)
さい。」
侍
(
さむらい
)
は、
生
(
い
)
けどりにした
狐
(
きつね
)
を
縄
(
なわ
)
でしばって、ぶらさげていました。
…少し間をおいて…
この
狐
(
きつね
)
は、さっきまで
元気
(
げんき
)
にとびはねていた、こん
太
(
た
)
だったのです。
お
姫
(
ひめ
)
さまが、そおっと
目
(
め
)
をあけて
狐
(
きつね
)
を
見
(
み
)
ると、まだ
小
(
ちい
)
さな
狐
(
きつね
)
は
悲
(
かな
)
しそうにぶるぶるふるえています。
心細
(
こころぼそ
)
く
悲
(
かな
)
しい
気持
(
きもち
)
が、お
姫
(
ひめ
)
さまにもよくわかりました。